2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧
先週から寒い寒いとうるさい僕ですが、タイミングよく「地球温暖化なんてウソだったんじゃ…」というような事件の話題が欧州をはじめゴア世界大統領のいらっしゃるアメリカで持ち切りの様子。 「懐疑派にとって美味しいソースにはならない」とNASAの研究員は…
The Cool School 93 見るということ、見えるということ 買付で店に入るとき ぼくたちの目は 最初はサーチライトになる。 大江田さんはフォークやハワイアンのレコードを目指して 狭い通路を進み、 ぼくはそれ以外のレコードを 今日はジャズからにしようかな…
中古レコード店の店主が教えてくれた警句を、またひとつ思い出した。 その店は、札幌にあった。繁華街のはずれの方にあって、おぼろげな記憶だが、たしか上部がガラスになっている引き戸が入り口になっていた。小さな店。 中に入ると店主が電話で話している…
The Cool School 92 飛んで火にいる インターネットによる情報の共有が 今ほど密でもなかったころ、 パラッと開いた「Goldmine」に出ている店の広告なんかが 結構重要なものだった。 「Goldmine」とは レコード・コレクターやディーラーのための専門紙で タ…
今は無き池袋のMレコードの客だった頃、店主に向かって趣味を仕事にして楽しそうですねと声をかけたところ、とんでもないと返された。妙に気色ばった声色になったところを見て、踏んではいけない地雷に足を掛けてしまったと思った。高校生の息子を持ち、家族…
ウエスト・コースト・ロックという表現がある。 1970年代、カラッとした軽やかなサウンド、シンガー・ソングライター、あるいはバンドのサウンド。こうした事柄に共通する音楽。ああ、忘れていた。なによりもアーチストの自主性が尊重され、自由な空気が横溢…
The Cool School 91 あやうく燃えるような買付 何度か訪れるうちに 必ず現金払いを続けてきたら (アメリカ人の店主は現金払いを喜ぶ)、 少し打ち解けてきた東海岸の名店の店主が 「よお、うちに在庫を見にこないか」と誘ってくれた。 値段も品揃えも この…
ここ数日の冷え込み、今年の冬は寒そうです。 そういえば最近めっきり"地球温暖化"って言葉聞かなくなりました。 あんまりに寒いので自分が熱くなる(恥ずかしくて)ための話をまた少し。 高校生のころに自画像を描いた。木炭と鉛筆で2枚。 描いたことのあ…
The Cool School 90 エリック その4 西海岸の いっぷう変わったレコード店をオーガナイズする 太っちょの店主エリック。 愛すべき彼のことは 今まで何回か書いている。 順にこことこことここ。 今回も エリックのことを書こう。 エリックから大江田さんに ち…
アル・ハートは、ニュー・オーリンズ・スタイルのジャズのベースから出発し、その後にポップ・フィールドにうまく出て行って成功した人。 クラリネットのピート・ファウンテンも同様のタイプ。 直球のニュー・オーリンズ・ジャズには上手くなじめなくても、…
The Cool School 89 お留守番 開店時間を過ぎてもひとの気配のない店の前に車を停め、 しばらく待ちぼうけを食らっていたら、 店主らしき車がずいぶんあわてた運転でやって来た。 降りて来たのは黒人の若者。 あれ? この店は白人の老人がひとりでやっていた…
かつて、リリースされた時期に繰り返し聞いていた。 ぼくにとっては、ジャズ・ハーモニカの名手トゥーツ・シールマンスの名前を教えてくれたアルバムでもある。 このアルバムをきっかけにトゥーツのアルバムを集め始め、収録の「BLUESETTE」がトゥーツの自作…
ちょっと訳あって、このところ主として50年代から80年代までのポップスのコンピレーションを片っ端から聴いている。いわゆるベスト盤だ。 一口にコンピと言っても、ジャンルを縦に掘るもの、ジャンルを縦断して年代で串刺しにするもの、フリーソウル、グルー…
The Cool School 88 値段のないレコード 今、アメリカで一番巨大なレコード・ショップ。 その名前は出さずとも ご存じの方が多いかもしれない。 とにかく店がでかい。 大きめの体育館かアリーナくらいの建物の中を ところ狭しと音楽ソフトが埋め尽くしている…
タバコが一箱千円になるかも、なんていうニュースを見て あぁ、やっぱり電子タバコにしようか、とニコチン中毒の自覚のない僕は思ったり。 ハイファイの隣のビルの一階に入っているたばこ屋においてある「漢」とか「海人」などの達筆で書かれているデザイン…
The Cool School 87 さまよえる黒猫 レコード屋が閉店すると そのレコードたちはどうなるのか? そんなことをお客さんに訊かれることが ごくたまにある。 素朴な疑問というものだ。 思えば この連載の第一回が 閉店するレコード屋さんの大バーゲンに出かける…
「Baby It's Cold Outside」というスタンダード・ソングがある。寒くなり始めた季節、ちょうど今頃の時期に思い出すことになる唄だ。 男性と女性のデュエット・ソング。歌詞には、男性が女性に対して、「ねえ、外は寒いよ」と歌いかけるフレーズが印象的に配…
The Cool School 86 クイズです 大リーグの球団もある大都市の割に この街のレコード屋は不作続きだった。 ようやく見つけたこの店も それなりにレコードはあるんだけど ちょっとだけ高い。 その“ちょっと”が、かわいくない。 商売としてのレコード屋が栄え…
1960年代に活躍したジム・クエスキンのジャグバンドから、この種の音楽に入った僕には、オリジナル音源を聴いては、なんだクエスキンのあの曲のオリジナルはこれだったのかと、いちいち驚いたものだ。 ここに収録の「Coney Island Washboard」にしても、「Bo…
松永クンの昨日のブログの続きを。 僕の顔がアメリカ人に覚えがいいということについて、こと本人には自覚が無い。それともいうのも、彼らの日本人の顔をめぐる眼識について、いささか疑問を持つ場面に遭遇しているからだ。 とあるショッピング・センターの…
The Cool School 85 顔 自分の顔に自信があまりない。 なんて、 結婚相談所みたいなことを書きたいわけではなくて、 アメリカ人レコード・ディーラーに なかなかぼくの顔を覚えてもらえないという話。 何度か通ったお店を訪れて ぼくが入ると 「ハイ」「ヘロ…
カンガルーはオーストラリアの可愛い動物。 なにしろメスはお腹のポケットに子供、という母性本能をくすぐる佇まいと、ボクシングのようなパンチにピョコンピョコンとしたフットワーク。 以上が昔のなんとなくなカンガルーのイメージ。 知人からカンガルーの…
The Cool School 84 におい 周囲が抱く健康的なイメージとは裏腹に その街のダウンタウンの治安はあまり良くないという話は なんとなく知っていた。 ネタ元は 行きの飛行機で読んだ推理小説なんだけど、 結構そういうところに出てくる街の描写が当てになるこ…
藤瀬クンのブログによると、ヒートテックのタイツを履くと、松永クンにいつも「モモヒキなんぞはきよって」と言われるのだそうだ。 この一節の後にはちょっといい話が続くのだが、そちらはともかくとして、アメリカの寒さではモモヒキなんぞを履いていないと…
The Cool School 83 ビッグ・ショー、スモール・ショー アメリカのレコード・ショーって 大きい大きいって言うけど どれくらい大きいんですか? そんな質問を受けることがある。 はて? 大江田さんによると かつて全米最大規模を誇ったレコード・ショーは 軽…
ガイ・ヴァン・デューサーのアルバムを聴きながら、例えばここに収録されている「Chattanooga Choo Choo」を聴いていると、なんだかいとも軽々と楽しげに弾いている様に感服してしまい、これはぜひにと友人のギタリストの所に持参した。 参考にしてみたらと…
今日、水曜日からニューヨークに向けて旅立つという方と、電話で話した。 気候はどうなのだろうか?という質問に、テレビの野球中継を見て、観客の着ている服装をチェックするのがいいですよと、お答えした。買い付けの前に、いつも自分自身がしている方法を…
The Cool School 82 彼の弱点 アメリカ人の年齢は見た目ではわからないもので ぼくよりもずっと歳上に見えるそのディーラーは 訊けばぼくと同い年というではないか。 もっとも アメリカ人に言わせれば 日本人の歳こそ 見た目ではなかなかわからないってこと…
夜半からの寒風と横からの雨に徒歩での帰路で泣きそうでしたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 こりゃもうヒートテック(ユニクロ)しかない、と思い取り出したのですが、松永さんにはいつも「モモヒキなんぞはきよって」と言われる訳です。けど一度はいた…
The Cool School 81 BUY MORE RECORDS ひとには口ぐせというものがある。 それは日本語の世界に限ったものではなく、 当然、英語にもあるし、 レコード屋の店主にも口ぐせはある。 以前に書いたこの店の主人が連発していた 放送禁止用語も 彼からしたら口ぐ…