2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
前回の続き。 「本人が本人を演じてしまう」ことについて、考える。 「本人が本人を演じてしまう」という字面は、ちょっと変だなと思われるかも知れない。「自分は演じるものではないよ、いつだって自分は自分だろ。当たり前じゃないか」と怒られそうな気も…
The Cool School 67 How To Park アメリカのレコード買付で 結構面倒な問題になること。 何を買うか。 いくらで買うか。 そういうことですか? いいえ。 問題はちゅうしゃです。 注射? 駐車。 車社会のアメリカでは 当然、レンタカーでレコード店に乗り付け…
The Cool School 66 目がまわる ずいぶん前の話。 坂の多い街の 長い坂をくだりきった正面にその店はあった。 らせんをかたどったぐるぐるのペイントをウィンドウにほどこした店構え。 店はそれほど古そうではないけれど、 白髪頭の店主はそれなりにサイケな…
ライヴでのパファーマンスでは、並のロック・バンドは蹴散らされたという、高速バチ捌きといえばこの人、ジャズ・ドラマー、バディ・リッチ。 本日の一枚「The Driver」は1960年に録音され、お蔵入り。数年後に改めてリリースされたアルバム。 本作のポイン…
スタニスラフスキー・システムと言う言葉がある。 ロシアの演出家であるコンスタンチン・スタニスラフスキーが唱えた演劇理論を言う。 例えば、ここにとある中小企業の社長が登場する芝居があるとする。寅さん映画に登場する朝日印刷のタコ社長を思い出して…
カナダ国境に隣接するミネソタ州の州都、ミネアポリス。9月も末になると、少しづつ近づいて来る冬が、目前に見え始めるようになる。10月に入ると、州の北部ではもう雪がちらつき始めると、彼の地の友人のメールにあった。翌年の4月まで、長く暗い冬の厳し…
AOR的ジャケ買いの極意を考える。 ゲイリー・ポートノイのアルバム・カバー。どうしてこんなカバーになってしまったのか、理解に苦しむ。そんなカバーの一つだ。 ゲイリー君、何かのショックでぶっ飛んじゃったの? ちっともかっこ良くない。 考え落ちとして…
The Cool School 65 バレンス その2 東海岸のレコード屋で バレンス・ホイットフィールドに出会った。 凶暴な黒人ロックンローラーのイメージをくつがえす おちゃめなやつ。 「おれ、日本に行きたいんだよ。 何とか作戦練ってみてくれない?」 心から日本に…
The Cool School 64 バレンス その1 アメリカという国の音楽のおもしろさは ローカルなシーンの裾野の広さにある。 “自主制作”だなんて宣言して 肩肘を張って立ち向かわなくても 街のスタジオでレコードが作れてしまう気楽さが あの国の音楽シーンが どれほ…
The Cool School 63 グリニッチ・ヴィレッジ1989 補修授業 前回まで書いた89年のニューヨーク行き。 さもひとりでずんずんと街を歩いたような描写になっているが、 正しくは同行がひとりいた。 大学の友人で 彼はぼくより一週間早くこの街に着いていた。 ワ…
敬老の日にかけた"シルバー・ウィーク"なる大型連休いかがお過ごしでしょうか? 私ども小売業には"シルバー・ウィーク"も"ゴールデン・ウィーク"も何も関係ないわけで。ただ渋谷は人がわんさか、ハイファイにも一見さんがふらり。ありがたいことです。 金と…
ジャズというのは、基本的にエンターテイメントの音楽だ。 半世紀以上も前、ボールルームでのダンス音楽として形をなしてのち、ライヴを聴きに来る聴衆の前で生演奏され、そこで音楽家は収入を得ながら、受け継がれてきた。 あくまでもライヴを前提としてお…
昨日の松永クンのブログにあるように、ピーター、ポール&マリーの一員だったマリー・トラヴァースが9月16日、72歳で亡くなった。 たまたま来店していた浅田浩さんと、マリーの話になった。浅田さんは、トリオがひとたび解散をし、それぞれがソロ活動を始め…
The Cool School 62 グリニッチ・ヴィレッジ1989 その3 ホテルの部屋、 ベッドの脇に無造作に立てかけられたレコード群、 その数ざっと100枚ぐらいか。 2週間のニューヨーク滞在で あの店この店あのフリマで買い集めた数々のレコード。 欲しかったあの一枚も…
9月12日のブログの“ニューヨーク経験豊富な松永クン”というぼくの記述に、松永クンからの異論があるとのことなので読返しているうちに、もうひとつ、やや軽率な表現を見つけた。 ということでお詫びかたがた訂正をする。 それは"寝ていたはずの松永クンが、…
The Cool School 61 グリニッチ・ヴィレッジ1989 その2 1989年のグリニッチ・ヴィレッジ。 レコード屋で思い出す店はまだいくつかある。 観光客が歩くにはちょっと危ないよと言われていた ヴィレッジの西側にも気になる店はあった。 道路と建物の間に幅広の…
The Cool School 60 グリニッチ・ヴィレッジ1989 その1 9月12日の大江田さんのブログで “ニューヨーク経験豊富な松永クン”という記述が登場するが、 ちょっとその表現には異論がある。 だって ハイファイで買付に行くようになる前に ぼくがニューヨークに行…
以前に増して物忘れをしてしまう。 出勤時に駅の改札で財布を忘れているのに気づいたり。 昨日は結婚パーティのDJ(また、です)で持って行く予定だった7inchをまるまる部屋に置き忘れた。 ちなみにその結婚パーティというのは ハイファイでもお取り扱いをさ…
旅に出る前に、目的地とそこまでの過程を綿密に調べ上げて、それも旅行ガイドはもちろんのこと、作家や識者のエッセイを読んで想像をたくましくするのが好きな僕は、周囲から「旅に出る前にもう終わっているんじゃないの?」とよく言われる。松永クン式に言…
The Cool School 59 そのレコードをどうするの? 前回、レコードを曲げてお皿を作っている店主のことを書いた。 その例にもれず アメリカのレコード店主は 売り物にならないレコードの再利用に熱心だ。 持ってけ泥棒な値段でのバーゲンは当然。 豪快に「無料…
橋の話の続き。 西海岸のその街にも、海につながって内海状態になっている湖がある。そして当たり前のように、湖の対岸とこちら側の街は橋で結ばれている。 海辺のギリギリまで山が迫ってきていることもあり、街の全体が海に向かって下って行く坂道の上に乗…
サンフランシスコ話のつづき。 サンフランシスコ半島は、西側に太平洋、東側にはサンフランシスコ湾に面した南北に細長い半島で、日本人の僕たちがサンフランシスコと呼ぶ際には、おおむね半島内の各所となることが多い。 サンフランシスコ湾を隔てて対岸に…
The Cool School 58 レコードを曲げろ アメリカ中西部の奥深くに 変わった名前の店がある。 日本語にすると 「レコード曲げ屋」。 日本からの情報では地名もひっかからないような小さな街に そんな店があるよと教えてくれたのは そこから30分ほど離れた街に…
The Cool School 57 HAPPY END OF THE WORLD 西海岸のディーラーの家を訪ねる。 ビートルズや オールディーズには目もくれず マイナーSSWやローカル・レコードを集め続ける彼は まさにハイファイのために存在するようなディーラーで なるべく年に一回は彼の…
衆院選も終わりました。 結果はご存知のように民主党の大勝ということで、"どの党がどうだ"などは人それぞれですので、何も言うつもりはありませんが、ただ一つ気になることがあります。 それは、新しい日本のファースト・レディ、鳩山幸さんのこと。 海外で…
The Cool School 56 インストア 今日、 ハイファイの常連さんに ティム・バックリィのCDを聴かせてもらった。 彼がファースト・アルバムを出したばかりの1967年に NYのフォークロアセンターで行ったライヴが お蔵出しでCD化されたのだ。 音質も良くて 何より…
The Cool School 55 エリック その3 久々にエリックのことを書こう。 どれくらい久々かというと 43回ぶり。 前のは忘れちゃったなという方は こちらとこちらにどうぞ。 太っちょのエリック。 独身のエリック。 初めて会ったときよりいくぶん老けて 仙人みた…
サンフランシスコ話の続きを。 ヘイト・アシュベリーやゴールデン・ゲイト・パークなどがあるサンフランシスコ市中心部から湾を隔て、対岸にあるのがバークレー。 全米で最も進歩的で反体制的な都市と言われており、街の中心部には進歩的な校風で知られるカ…
The Cool School 54 すいません、ちょっとお尋ねしたいんですが。 買付を重ねて お店と親しくなってくると 普通のお客さんは入れない在庫のスペースまで 入って見ていっていいよと言ってくれたりする。 そうなればしめたもの。 店頭に出ることなく眠っている…
The Cool School 53 Records on fire, Records on flood 今日は防災の日。 天災や人災にレコード屋が遭う。 あってはならないことだと思うが、 残念ながらそれはしばしば起こる。 北の街の ある大型チェーン店で買付をしていて 会計のときにレジの脇に奇妙な…