2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧
The Cool School 168 レコめし その5 買付中、 日本食が食べたくなるという瞬間は かつてはほとんどなかった。 まだ若くて アメリカの食事への興味も旺盛だったし、 ご飯とみそ汁がないと力が出ないなんて言い草が 弱音にしか思えなかったというのが 表向き…
ポール・ストゥキーが書いた「Whatshername」が収録されていると言うので、アルバムを聴いた。 フォーク期に書かれたジャジィな作品としては、一二をあらそく名曲だと思うけれども、この曲、いかんせんカバーが無い。 同じくフォークでジャジィな名曲の「Sco…
The Cool School 167 レコめし その4 モーテルだけは立派に出来ているが よく見渡すと あたりは何もない街だった。 それって結構よくあるパターン。 その日は 結構な時間まで買付を続け、 肉体的にも疲労困憊。 街なかでどこかの店に入って いちいち給仕を待…
ラジオから流れる「ユー・センド・ミー」を聞きながら、ちょっとほろっときた。歌っているのは、ロッド・スチュワート。チャカ・カーンとデュエットしている。大成功した一連の「ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック」シリーズのNo.4に収録のヴァージョ…
昨日の続き。 最初に演奏されたのはあくまでも初演であって、これを範として語り継ぐこととはまた別の話だというのが、クラシック音楽の通例だ。 ポピュラー音楽では、初演がオリジナル、その後の演奏にはカバーと呼ばれる。 とこう書いてきて、必ずしもそう…
昨年の夏に放送されたNHK教育「知るを楽しむ:グレン・グールド」を、とても興味深く見た。全編を自宅のVTRレコーダーに収録していた友人から、DVDにコピーしてもらって、また最初から繰り返し見た。 いくつもの示唆的な言葉があったけれども、なかでも坂本…
The Cool School 167 レコめし その3 モーテルからその店に行くには 長くて高い橋をわたって 海を越えねばならない。 ハンドルをにぎる大江田さんは 根っからの高所恐怖症で 橋が大嫌いときている。 しかし その大江田さんをして 橋も高さも我慢させるほどだ…
The Cool School 166 レコめし(レコード定食あらため) その2 半年ほど前のエントリーで 「レコード定食」というエピソードを書いている。 買付では レコード屋でレコードを買うだけでなく その前後にうまいめしを食べるのも重要だ。 また おいしい食事 印…
ジャケットに巨大なイカが!? …モーターボードレース用に改造されたドラッグボートでした。 イカを擬人化したキャラクターが活躍する「侵略!イカ娘」という漫画がある(ちなみにアニメ化が決定している)。ゼリータイプのコーヒー飲料ドロリッチの擬人化も…
家を出て最寄りの駅に向かう途中の道すがら、竿竹やの車に追いかけられることになってしまった。竿竹は、いまでは車で移動して売られる。ぼくはリヤカーを引きながら売られた昔を知っている。 4mの竿竹が2本で1000円だと、スピーカーの女の子が言う。20年前…
片桐ユズルさんの「歌は、詩でもないし、音楽でもない。だから面白い」というコメントについて、もう少し考える。 邦楽に「歌のない歌謡曲」というジャンルがある。 いわゆる歌謡曲をインストルメンタルにしたもので、その昔、喫茶店で流れていたり、パチン…
The Cool School 165 買付秘密兵器 その5 パソコンと携帯が 21世紀の買付には登場したという話で 前回は携帯のことを書いた。 今回はパソコンのこと。 昔は分厚いイエローページをめくって ここだあそこだと いろんな情報を調べていたのも遠い昔。 箱を売っ…
こんな本を読んでいたら、精神心理学の研究では、「音楽と言語を処理する脳の部位が違うことが感覚的に示されるようになってきている」という一節と出会った。 同書が対象とした「音がどれくらい長さの時間の中で、どのようなまとまり方をしたら人は音楽と感…
The Cool School 164 買付秘密兵器 その4 20世紀最後の、 そして最大の発明のひとつに パソコンと携帯電話は入る。 そしてこのふたつは 買付という仕事を 21世紀に変えた発明品であったことも間違いない。 ハイファイの買付もそうだ。 2001年にぼくが最初の…
The Cool School 163 買付秘密兵器 その3 ここだけの話、 大江田さんがグルメだという説は 果たして本当なのだろうかと思うことがある。 その疑念は ある時期から キッチン付きのモーテルで ぼくが料理をはじめたころに芽生えた。 最初のうちは スライスベー…
今週は風邪でボロボロだったのですが、すごく過ごしやすい天気だったようで、何をやっているんだろう(笑)と自分の不摂生を呪うばかりです。 例によって、喉の痛みから頭痛へと続くウイルスのコンボ攻撃。仕事中に声がガラガラになってしまい、松永さんを驚…
The Cool School 162 買付秘密兵器 その2 長い人生のなかで 実は一番時間をたくさん割いてるのは 仕事でも趣味でもなく 睡眠だという。 一日8時間でも3分の1、 6時間で頑張っているひとでも4分の1は いやがおうでも割かざるを得ない。 生きるためでもあるん…
The Cool School 161 買付秘密兵器 その1 しばらく 企業秘密とも言える ハイファイの買付秘密兵器について 書いていこうと思う。 その店は 朝8時半から開いている。 たしかこの店のこと 前にも書いたはずだと思い 調べてみたら、ここにあった。 でも大丈夫。…
モンキーズについての文献を読んでいたら、サードアルバム「灰色の影(Headquarters)」のプロデューサー・クレジットのところで、ダグラス・ファーシング・ハットフィールドという名前を見つけた。 このハットフィールドという名前、どこかで聞いたことがある…
ふと思いついて調べ物をしているうちに、これまで最も著名なカリプソの一曲と文献に記載されることが通例のハリー・ベラフォンテの「バナナ・ボート・ソング」は、実はカリプソでは無くて、ジャマイカ民謡の労働歌だという記述に出会った。 「伝票担当者さん…
The Cool School 160 奥にどうぞ アナログはお店の奥にある。 このご時世 そんな作りのお店はすくなくない。 店のフロントはCDがメイン。 あるいは 古本屋の奥のスペースが中古レコード。 そんな話は前にも書いたか。 そういうパターンで言うと 今まで断トツ…
The Cool School 159 ガハハなひと 「そうそう あのおばちゃんだよ」 大江田さんが思わずつぶやいた。 中西部の大学街にあるレコード屋を訪れたときのこと。 その店構えは レコード屋というより 馬具か何かを売っている方が似合いそうな 割と大きくて古そう…
先週、望みの漫画が買えなかったことを書きましたが、本当に運がないのか、1〜5巻まで読んだ後、6〜8巻を買うつもりで行ったところ、在ったのは1〜5巻まで。 自分と同じペースの読者がいる…。これは小学生の頃、地元の小さな書店で三国志(1〜60巻…
男女交際の対象がお互いに一人でなければならないという考え方は、日本にキリスト教が浸透してからのもの。聖書に姦淫してはならないと書かれていることを根拠としている。そうした考え方がモラルとして尊ばれるようになって、まだまだ100年余に過ぎない。も…
ポピュラー・シンガーが歌うフォークのアルバムに強く興味を持つようになった。 一昔前の自分だったら、そうした興味の持ち方を否定していたに違いない。 伝承歌曲を伝承の精神や方法のままに歌い継ぐことをもって、最良と思っていたからだ。 ただしそうした…
5月4日、大阪で開かれていた春一番コンサートで、友部正人と三宅伸治のステージを聞いた。 友部正人は三宅クンと紹介し、三宅伸治は友部正人さんと敬意を込めてくり返し互いを紹介し合っていたことから、二人の関係を自ずと知らされた。申し訳ないことに、ぼ…
The Cool School 158 子はかすがい 西海岸でお世話になっているディーラーが テーブルを出しているレコード・ショーに 見慣れない少年がいた。 「息子なんだ こづかいをやる約束で レコード運びや店番を手伝ってもらってるんだ」 典型的なキッズ・アスリート…
The Cool School 157 リフィルに幸あり かつてアメリカのファストフードに日本人がはじめて行ったときに 一番おどろいたのは ハンバーガーのサイズがでかいことでも 店員がつっけんどんなことでもなく ドリンクがおかわり自由だったことではないだろうか。 …
The Cool School 156 レコードの休む場所 その店の名前は 日本語にすると “レコードの休む場所”。 まるで レコードよ、安らかに眠れ みたいな意味かと最初は思った。 CDやダウンロードに押されて もうこの世での役目が終わったレコードを 大事に大事にさすっ…
恵比寿のTenementから帰ったあとの記憶があまりない。 いつのまにかベッドに潜り込んでいた。ここ最近そんな朝ばかり。 春眠暁を覚えず。 使い方ぜんぜん違うのはわかっておりますが、なんとなく春のせいにしたいのです。カミュ的な気分でw。 昨日Tenementに…