2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧
楽器と演奏家の顔に相関関係はあるのかと問われたら、「あります」と答え、右手でこのアルバムを高らかに掲げたいと思う。 このバンジョーという楽器。全く悲しそうな音色がしなくて、明快で実にわかりやすくて、サーカスのピエロの踊りの時に用いられそうで…
プロモ盤のシングルを しげしげと見ていると 「PLUG SIDE」という表記をよく目にする。 これはラジオ局のひとに 「こっちをかけてくださいね」と伝える 要するにA面であることを知らせる表記。 プラグという英単語は もともと栓とか 電子機器の差し込み部分…
結論、ロックのドラマーのソロ作は面白い。 急に話が変わりますが、喫茶店の改築工事をやったことがあります。 派遣、じゃなくて、D.I.Y、で請け負って。 全くDIY経験のなかった自分でしたが、お店で寸法をチェックして、東急ハンズにサイズを記した図版画を…
どうしてなのか、ずっと不思議なのだが1930年代から40年代にかけてのアメリカ、特にニューヨーク界隈ではラテンがはやっていた。ほんの少しだけ正確に言えば、ホテルのラウンジ・ミュージックやダンス・フロアーで盛んに演奏され、ラジオでも中継された。楽…
1960年代から70年代前半あたりまでの話か。 プロモ盤のシングルをプレスして ラジオ局やメディアに配布し、 まったく話題になりそうもなかったら イコール・売れないというわけだから 販売用のレギュラー盤のシングルは製造しない。 その時代、 そういう考え…
ロジャー・ウィリアムスの60年代の対応は、50年年代出身の他のインストルメンタルのアーチストに比べたら、格段に上手かった。時代に合わせて変身したというほとではないまでも、ヒット・シングルに恵まれつつ、自分の存在を音楽で証明していた。 彼の音楽を…
この10日程まえから蝉の声を聴くようになった。ハイファイでのことだ。東京の郊外にある自宅で蝉の声に気づくよりも数日前に、ハイファイの周りで蝉のなく声が耳に入った。 去年もこうだったわねと言われて、おもわず明治神宮の森が近いからかなと、こたえる…
「60年代のColumbiaのシングル盤って プロモ盤とレギュラー盤では材質が違うことがあるんだよ」 アメリカ人のディーラーから それを教えられたとき ハッとした。 その違いに 思いあたるフシがあったからだ。 「プロモ盤には塩化ビニールを使って レギュラー…
前回予告した通り、 今回から シングル盤の話を書きたい。 ハイファイの買付で シングル盤をいろいろと漁っているうちに学んだこと 考えたこと 思いあまって妄想したこと そんなことをつらつらと。 タイトルも予告通り 「4、5回まわってニャンと鳴く」で。 …
何サンドが好きかと訊かれたら、多分BLTサンドことクラブサンドと答えると思う。 昨日のTenementからの二日酔いと、じとっとした蒸し暑さにサンドされた今日。 本日のレコード「Sand サンド / Sand」が気持ちいい。 海洋系サウンドを聴けば必ずパームツリー…
昨日の東京、ちょっと涼しくなった気がした。午前中、家を出た瞬間に、秋の空気が風に混ざっている気がした。夜のテレビで、そろそろ秋に向う準備が始まるといったことを、天気予報が述べていた。 残念ながら、今日はまた暑くなった。 でももう少しで夏が終…
買付から帰ってきました。 今回は 思いのほかシングル盤に収穫が多く 楽しくのめりこむことが出来ました。 あるディーラーは シングル盤を売る醍醐味について 興味深い話をしてくれました。 もともと彼は レアなアシッドフォークや ローカルなシンガー・ソン…
ロジャー・ウィリアムス、カーメン・キャヴァレロ、ロニー・アルドリッジ、ジョニー・ピアソンなどのピアノ・イージー。 意識して聞き始めてもう随分と経っていると思うが、最初のころはそれぞれの演奏の違いがよくわからなかった。どれも同じに聞こえた。 …
暑いです。今週がこの夏で一番暑い、なんて報道をちょっと耳にしたような気もしますが、あまり聞きたくないと思っているせいか、アタマに入って来ません。 ふと連想ゲームが始まります。 暑いなあ→ビールが飲みたい→DO THE ハッスル 単純ですね。 これは何年…
大変な暑さがつづきますが、 いかがお過ごしでしょうか。 この暑さから逃げ出すようにして 買付に行ってきました。 といっても アメリカもとても暑かったですが。 音楽的避暑をうながすレコード、 あるいは 暑さに興奮という火を注ぐレコード、 そういうもの…
The Cool School 200 明日もフージンで会おう ひさしぶりに エリックの店を訪れた。 今までも何回か書いてきた 西海岸の愛すべきふとっちょおやじ。 ディーラーたちがレコードを持ち寄る マーケット形式の店を経営している。 すこし風変わりで 大変かわいら…
The Cool School 199 ぼくたちのすこし奇妙な友情 西海岸にある 小さなレコード店。 商店街の喧噪から距離を置き しずかな一画に建っている。 週のうち2日は休みだし 遅く開いて早く閉まるその営業スタイルは 訪問客に対して熱心だとは言えない。 それでもこ…
ペギー・リーが歌うジャニー・ギターは、映画「大砂塵」(1954年)のテーマ。 ということぐらいまでは知っていた。 と言いつつ映画の方は観たことが無かったのだが、調べていくうちにいくつものおもしろい話のこぼれだす作品だとわかって、俄然興味がわいて…
ぺちぺちゆっくりPCのキーボードを打っています。 両肘を机に乗せられないのであります。 なぜなら一昨日自転車でこけたからです。 アスファルトにヘッドスライディング、であります。 もちろんセーフ、でなくて、アウト、アウ血でした。 肘の出血より後々痛…
「家具の音楽」と題する曲を、1920年にエリック・サティが書いている。 自己主張することも無く、生活にそれとなくとけ込んでいる家の中の家具のように、格別の意識を注がれることのない音楽を作りたかったサティ。 初演の演奏会で、休憩時に演奏される音楽…
映画「太陽がいっぱい」の最後のシーンは、忘れようにも忘れられないものとして、記憶に残っている。 アラン・ドロン扮する田舎者のトムが、フィリップからひどい屈辱を与えられたのち、フィリップを殺害し彼に成り代わる一連を見てきた観客が、どこかしらト…
The Cool School 198 史上最大のディスカウント その3 目標額に達したら半額にするぞという 店主の約束を信じて その店でのぼくたちの買付は続いた。 書きながら思い出したが 最初は 店主の言ったことがうまく伝わっていなくて ぼくたちは本来の目標の半分で…
The Cool School 197 史上最大のディスカウント その2 西海岸のとある店。 規模はそれなりに大きくて お店の商品のほとんどは中古レコードで ロック、ジャズ、クラシック、その他ジャンルも充実している。 これでもうちょっと コンディションが良くて 値段も…
なにも役に立たないニュースばかりと評判の日曜ブログ担当の藤瀬でございます。 いや、もう、「メイドロボ」「電脳化」とか最近やたらロボ発言が多くなっておりましたが、新しく入った情報では、なんと触った感触が脳に伝わる、つまり触覚のある義手が制作さ…
昨日の続き。 SPの時代の録音スタジオは、まさに音楽を録音するための場所だった。それまでに十分に人前で演奏されていたり、十分に練習が積まれてきた音楽が録音された。 スタジオに入るまでに音楽は充分に練れていた。スタジオは練習場所ではなかったし、…
NHK BSで放送されている「名曲探偵アマデウス」という音楽番組が好きで、このところ毎週のように見ている。 探偵事務所に持ち込まれたクラシック音楽にまつわる疑問を、探偵こと筧利夫が解いて行くという謎解き仕立てのバラエティ番組で、クラシックを一曲ず…
The Cool School 196 史上最大のディスカウント その1 前回書いた兄弟の店の 兄の店の方。 レコードの数は豊富で おもしろいものも揃っているのだが すこしだけコンディションに難があるものが多くて すこしだけ値段が高い。 うんと高いとか うんと汚いので…
キャロル・キングとジェームス・テイラーのトルバドール・リユニオンのステージで、客席から「プレザント・ヴァリー・サンデー」のリクエストがあった時に、二人が示した反応が面白かった。 キャロルは、サービス精神豊かにサビの部分を少し歌った。そして、…
The Cool School 195 兄弟の誓い おもしろいことに その西海岸の小都市では 一本の道を挟んで 兄と弟がそれぞれのレコード店を営んでいるのだという。 仲違いしているわけじゃない。 お互いに趣味が違うから。 兄は 昔ながらの何でも屋。 クラシック、ジャズ…
The Cool School 194 Tシャツの国 アメリカのレコード屋さんには Tシャツがつきもの。 ちょっとした店なら たいてい店のノベルティとして カウンターの奥や 天井からぶらさがっているものだ。 お店のロゴを単に移し込んだもの イラストを添えてデザインした…