Erroll Garner エロール・ガーナー / Gemini

Hi-Fi-Record2006-11-28

エロール・ガーナーの「ジェミニ」は大好きなレコード。


しかし、わからないことがある。
それはご覧の通りのジャケット・アート。


デッサン調の顔面アップは良いとしよう。しましょう。
だが、そのアゴ先に重なる代々木体育館風のオブジェ、
これはどうにも判読しかねる。


もともと、プログレ風のロゴで、すでにいくらか損をしている。
ジャズ的な美意識で、という意味だが。


「うん、これいいじゃない?」と会議の席上で誰かが言ったとしてだ、
「ちょっと待って!」と宣伝担当が異議を唱える、
そんな場面があったっていいだろう。


だが、最近、何となく腑に落ちた。
メジャー・レーベルとは言え、
こういう決め事(特にアートワークなどセンスを問われる問題)では、
たいてい一人、多くても二人の担当ぐらいで
万事、物事が決まってたんじゃないの、ってこと。


このアルバムに関して言えば、
御大ガーナー氏が「ワシはこれがいい」の一声で
ひょっとしたら決まったのかもしれない。
担当A氏(仮名)、何も言えず……みたいな。


そんなガーナー氏の我の強さを
「Tea For Two」を聴いてるとめいっぱい感じるのだ。
担当A氏にとっては、苦い茶だね。(松永良平


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