2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
The Cool School 142 Still in progress 買付に行って そこにあるはずの店がないときほど ぞっとすることはない。 閉店? それとも引っ越し? 昔はそれを確かめる術もないから 次の店に行って 「あの店どうしちゃったの?」なんて“聞き込み”をしていた。 最…
The Cool School 141 彼のくせ 買付の途中で知り合ったディーラーの家に 行くことになった。 話しているうちに 大江田さんが首をかしげて どうも相手の顔をどこかで見たことがある気がすると言い出した。 すると ディーラーも何かを思い出したようで 「おれ…
The Cool School 140 街は生きている 買付を長い間やっていると 当然ながら レコード屋の閉店をいくつも目にする。 大好きな街だったのに そこにあったお店がなくなってしまったために もうすっかり行かなくなってしまったところも多い。 そんなときに 悔し…
「保健体育」と聞くと、「今の若い人はこの科目の授業でテストはあるのだろうか」と、ふと思った。 僕の頃は、空白を埋めるのに恥部の名称を記入したりしなくてはいけなかったのですが、最近だとセクハラということで規制されてしまっているような気がしたの…
この日のCool School 100回目ブログで、松永クンが記した女性二人、ジュリーとオーラリーのうち、その後のオーラリーの消息が分かった。 とあるレコード・ショウの会場で、テーブルを出している並みいる店主のひとりに、彼女達と同郷の老人がいた。もしや彼…
The Cool School 139 スターは来なかった レコード・ショーに集まるのは ディーラーとお客さん。 だが 広い意味で彼らを括れば 音楽ファンの集まりということになる。 音楽ファンの集まる場所ということを利するべく ショーの間にイベントが行われることは少…
かつて勤務していたレコード会社の大先輩が、突然ハイファイの店頭に見えた。 XXチャンに聴いてさあ、大江田がレコード屋をやっているっていうからさあ。その口ぶりは、業界に特有のもの。昔のままだった。 ひとしきり昔話をする。かつての仲間について誰が…
「このミステリーがすごい!」第8回大賞を受賞した中山七里著「さよならドビュッシー」を読んだ。 ピアニストを目指す若き女子高校生が主人公。ミステリーとして筋立てを読み解く楽しみはもちろんなのだが、随所に書き込まれている音楽論が、ぼくにはとても…
The Cool School 138 われらがアメイジングな車 買付の途中で立ち寄った店で 偶然に知り合ったディーラーが 「今引っ越し中でレコードを整理しているから 時間があったらおれの家においでよ」と言うので 待ち合わせをした。 天気のいい昼間、 指定の場所に車…
The Cool School 137 RE:ディスカヴァー・ジャパン その5 アメリカでテレビのニュースを見るといつも思うのは 外国のニュースなんて全然やらないなあということ。 逆に言うと 日本ほど海外ニュースを敏感に報道している国はない。 こないだまで話題になって…
小市次官、「こいちじかん」を変換したら、もうこれです。 小一時間かけて書いた本日のブログも、Firefoxがいきなりクラッシュしてパーに。 サイド(ジェノサイドなのか)、再度書くのも辛いし、朝だし。ちゃんと新しいPC買うべき、という言葉が何度も頭をよ…
レコード屋を訊ねて川を渡って街の向こう側に行く。 レコードを見始めると、トイレに行きたくなった。これが僕の悪い癖で、レコードを見始めると、すぐこういうことになる。 カウンターに座る女性にトイレを使わせて欲しいとお願いすると、店の外に出ろと言…
The Cool School 136 RE:ディスカヴァー・ジャパン その4 最近、日本人ディーラーを あまり買付で見かけなくなった。 それはぼくの個人的な印象だけではなく アメリカのレコード店やディーラーたちにも 同じ印象があるようだ。 「わかるよ、 お互いエコノミ…
ポップス・オーケストラの歴史の発端というか、始まり方に興味があるのだが、残念ながらそうしたことを記した書物に出会った事が無い。ジャズにせよ、ロックにせよ、カントリーにせよ、そりなりに研究が進んでいて、日本語で読める本も数多くあるのだが。 数…
整然としていない、雑然としたコーラスについて、ふとザ・バンドから始まったのかなどと書いてのち、すぐにそれは思い過ごしというか、事実とは違うと思い当たった。 まず思い出したのは確かタイトルが「4 Giants Of Blues」だったかと思うが、ビッグ・ジョ…
The Cool School 135 RE:ディスカヴァー・ジャパン その3 以前 ある同業者の嘆きとして 「10年前に今の情報量で買付行けてたらなあ!」というセリフを聞いて 大いに笑ったことがある。 しかしそれは笑い話なだけではなくて 確かにそうだなと神妙な気分にさせ…
3月15日よりはじまった「radiko」。 ネットでラジオが聴けるサービスだ。 でもって、月曜日なわけで、月曜JUNK「伊集院光深夜の馬鹿力」を聴く。 音質はグレイト。くっきりキレイ。 熊本一人旅の話。3333段の石段の。笑いながらも「文科系トークラジオLIFE」…
The Cool School 134 RE:ディスカヴァー・ジャパン その2 「わたしの娘は日本が大好きでね」 とあるレコード屋で 奥から出て来たスタッフの女性に話しかけられた。 娘さんはおそらくまだ十代くらいらしく 日本のアニメが大好きで、 「それからそれから、 あ…
中村とうようさんが選曲し監修したアメリカのポピュラー・コーラスの系譜をたどるCDを聞いていても改めて気がつくのだが、収録された楽曲のほとんど、タイミングを合わせフレーズを会わせて整然と歌が歌われる。参加者の声の総合による小宇宙とも言うべき調…
The Cool School 133 RE:ディスカヴァー・ジャパン その1 今日からしばらく 日本というテーマについて考えてみたい。 アメリカの中古レコード屋で考える日本のことだ。 先日訪れた店では 「こないだこんな日本のレコードを買ったんだ」と 店主からうれしそう…
シーカーズのジュディス・ダーハムの歌声。美しく、可憐だ。 しかし、フォークを揶揄する際に投げかけられることばの多くが、当てはまってしまうかのようでもある。曰く、純朴で健康的に過ぎる、声の甲高さがたまらない、屈折を感じさせないのがかえって不思…
ジーン・コットンの5作目にあたるアルバム。 マイケル・ジョンソンのアルバムに収録された「There Is A Breeze」が契機となって、同曲をジーン・コットンもまた取り上げることになる。作者のマーク・ヘンリーと歌唱者のマイケル・ジョンソン、二人とともに音…
The Cool School 132 クール・スクール・イン・ジャパン その11 Cさんの送別会は 盛大なものだった。 いつも仕事が終わって飲みに行くときは 基本的に気が合う者同士が連れ立っていくわけで、 まあ次第に同じような顔ぶれになる。 だが Cさんの人柄は 気が合…
少しばかり私用で実家に帰郷しておりました。 用事も済んだので、散歩がてら地元で一番大きい書店を覗くと、オリジナルのポップと共に恐ろしいまでに徹底されたセレクションが。少しチビリそうになりました。 在野の逸材を発見、というより禍々しい狂気を感…
The Cool School 131 クール・スクール・イン・ジャパン その10 Cさんが無事に社員として入社が決定し、 店舗を移動することになった。 社員希望で入ってきたひとは 正式に入社すると別の店舗に 社員として赴任する。 都内に多くの支店を持つこのレコード店…
日曜日の朝、起きたばかりのパジャマのまま、ぼんやりとテレビから流れる「題名のない音楽会」を見る。1月の末のこと。 ソプラノ歌手の小林沙羅サンが、シュトラウスのオペレッタを歌っている。バリバリのクラシック歌手、バックを演奏するのは、神奈川フィ…
The Cool School 130 クール・スクール・イン・ジャパン その9 レコード屋のバイト仲間で結成された「江戸情緒研究会」。 その第一回の活動は 何を隠そう ●トリッ●鑑賞なのだった。 地下におりて ドアを開けると 意外や中は満員だった。 そして なんとなくあ…
いささか前のこととなるが、「共同体が変化するときは、まれびとと呼ばれる共同体の利害を持たない人間が外からやってきて、法をつくったり法を変えたりすると社会学では言われている」と、夕方のラジオで宮台真司が述べていた。 「まれびと」とは、来客ある…
渋谷駅からハイファイに向う途中、耳していた「I've Got My Love To Keep Me Warm」の歌詞に、ふと気持ちが動いた。 ちょうど「Off with my overcoat, off with my glove, I need no overcoat」と歌われる箇所だ。 とにかく今日のお昼の渋谷は暖かかった。 …
The Cool School 129 クール・スクール・イン・ジャパン その8 レコード屋のアルバイトで親しくなったCさん、 バイトの先輩のFさん、Gさん、 そしてぼく。 ぼくたちが結成した 「江戸情緒研究会」の旗揚げが 初夏を迎えるころに行なわれることになった。 江…