2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧
このあいだのブログで、邦題「ジャワの夜は更けて」の原曲のタイトルが「Java」だという話を書いた。書きながら、思い出した曲があった。 それは「パリの可哀そうな人々」。実際に聞いてみるとわかるが、どこが可哀そうな人々を描いたのだろうというくらいに…
The Cool School 128 クール・スクール・イン・ジャパン その7 88年の春、 レコード屋のアルバイトにも慣れたぼくは すっかり仲良くなったCさんと 毎晩のように飲みに行った。 と言っても 飲み歩きのようなことをするわけではない。 Cさんの家は千葉で ぼく…
The Cool School 127 クール・スクール・イン・ジャパン その6 ようやくつかんだ4階での仕事。 それは中古フロアで 毎日買取の受付をしたり 販売をしたり 見たことのないレコードをさわったり 聴いたことのないレコードを聴いたり そんな夢のような仕事だっ…
「ジャワの夜はふけて」という邦題で知ったのか、それとも「Java」という原題で知ったのかは忘れてしまった。「ジャワの夜はふけて」のつもりで聞いていたり、「Java」のつもりで聞いていたり、それはたぶん手にしているアルバムに書かれている表記を眺めな…
ウェルナー・ミュラーについての続き。 自身がトロンボーン奏者だったことからかブラスの扱いが上手く、ブラス系の響きが耳に残る力強いサウンドの印象があるウェルナー・ミューラー。1950年代の初期からドイツのラジオ局の専属音楽監督を務めており、そのこ…
The Cool School 126 クール・スクール・イン・ジャパン その5 ぼくが働いていた店は4階建て。 その内訳は 1階が邦楽(当時はまだJ-POPなる言葉が無かった) 2階が洋楽 3階がジャズ 4階が中古品だった。 経験の浅いアルバイトであるぼくは その日ごとに 人数…
「ロッチ」といえば「ロッテ」の偽物。 「アディダス」だったら「アジデス」。 「プーマ」だったら「ピューマ」。 「チャンピオン」(スウェットで有名な)だったら「チャンピオンマウス」(あのロゴにミッキーの耳ついている)。 このような贋物カルチャー…
The Cool School 125 クール・スクール・イン・ジャパン その4 入店当日のきびしいしつけ(?)はあったものの、 その夜に親しくなったCさんの助けもあって 何とかお店でアルバイトを続けてゆく希望をぼくは見つけた。 とは言え、 そんなことはお店で働く他…
The Cool School 124 クール・スクール・イン・ジャパン その3 憧れていたレコード屋でのアルバイト初日、 フロアの雰囲気をよく見ておくようにと店長に言われたものの 現場をあずかる社員さんからいきなり言い渡されたのは 4階まである階段の拭き掃除だった…
このところまとまってウェルナー・ミューラーのレコードを聞く機会があって、改めて彼の仕事振りの面白さを感じている。 ブラス・セクションの扱いがとてもうまい。時代のアップ・デイトなポップ・ヒットを扱わせても、巧みにひとヒネリしている。メロディを…
The Cool School 123 クール・スクール・イン・ジャパン その2 記念すべきレコード屋でのアルバイト、 動かない自動ドアを押し開けて中に入り、 先に来ていた先輩たちにあいさつをする。 返事なし。 店長に言われるままに お店のエプロンを付け 1階の掃除を…
不勉強ゆえ、ロス・ロボスにこんなアルバムがあるなんて、全く知らなかった。 コンディションを確認するために、ハイファイの店内で流されていた音を聴いて、思わず心がつかまれた。 ちょっと一瞬、なんの曲だか分からなかった。あれ、これ、もしかしてあれ…
ラジオの話の続き。 もう30年近くも前、北青山に事務所を持つとあるグラフィック・デザイナー氏のもとを訪ねた時のことだ。 木立の間を夕暮れが迫ってくる窓際で打ち合わせをしていると、AMラジオの音色が静かに響いて来る。事務所ではずっとFEN、現在のAFN…
高視聴率の龍馬伝、"歴女"と呼ばれる女性の歴史ブーム(BL化=腐女子)。市場は2009年にして700億円とのこと。 モデルの杏さんは筋金入りの歴女だそうで、イラストもうまい(上の方にあります)。達者なイラストから腐女子である可能性が考えられ、「杏さま…
The Cool School 122 クール・スクール・イン・ジャパン その1 今回からしばらく ぼくが東京に来て 初めてレコード屋で働くことになった時代の話を書く。 時は1988年。 大学1年生の後期試験が終ろうとするころ、 お茶の水にあったAという店の面接を受けた。 …
AMラジオ好きには、格好の話題がこの週末に飛び込んできた。 首都圏と関西圏のキー局の13局が、通常の放送と同内容のものをインターネット上で配信するという。複数のメディアで同時放送する手法をサイマル放送というそうで、ここ数年、地域のFM局がその種の…
The Cool School 121 グッドバイ・アンド・ハロー アメリカに買付に行くようになって 割と早くに気がついたのは 日本語で言う「いらっしゃいませ」にあたる言葉の多様さだ。 昔、 英語の授業では 「いらっしゃいませ」にあたる英語は 「メイ・アイ・ヘルプ・…
このところ仕事でオールディーズを聴く機会が多い。オールディーズとイージーリスニングを繰り返し聞いている。 日本で独自にヒットした洋楽を聴き、同時にアメリカのヒット・チャートを引っくり返して聴く。 聴いているのはだいたいが1960年代前後のポップ…
チャド・ミッチェルは、ハリー・ベラフォンテに見いだされて、カーネギーホールのステージに立ったグループ、チャド・ミッチェル・トリオの一員だ。 1959年のこと。彼自身の名前が関されているのだから、一員という表現が当らないかもしれない。その後、フォ…
The Cool School 120 坂の上のレコード 街から北へ一時間ほど行ったところに かつて大江田さんが世話になったディーラーが住んでいるという。 普段は消防士をしているのだが レコードが好きで 週末のレコード・ショーでテーブルを長年出している人物で、 く…
2月7日、年に二回あるお祭りに参加してきました。 それは幕張メッセで行われたフィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル2010 winter」。 前日の夜から、新宿にある友人Kクンの事務所でスタンバイ。 友人のtwitter情報によると、深夜2時の段階で数百人開…
The Cool School 119 地下には夢がある それは何だか異様な光景だった。 それなりにレアな商品が揃っているのに 決してにぎわっているとは言えない店。 洋の東西を問わず、 そういうタイプの店は存在する。 アメリカの北部で やる気のあるんだかないんだかわ…
The Cool School 118 遠くに見えるあの山は いつもの買付とはちょっと違うイレギュラーな渡米で 車という足がないので タクシーでその店まで行くことにした。 住所はわかっているが まだ行ったことはない店だ。 タクシーをつかまえて 運転手にストリートの名…
ついこの間、ナンシー・シナトラの曲をまとめて聴いたところ。「にくい貴方」も、もちろん聴いた。 その記憶が残っているものだから、ハイファイのサイトにあるダイアナ・ロスが唄うところの「にくい貴方」のカバーがかカッコいいとのコメントにひかれて、シ…
The Cool School 117 Shoplifting 前回書いた 周囲に愛されながらも惜しくも閉店した店について その街にある別のレコード屋でも評判を聞いた。 「いい店だったけど ショップリフティングに悩んでいたんだよ。 なにしろ店員までやってたっていうんだから」 …
The Cool School 116 夢のしっぽ 西海岸のとある街で、 州立大学にほど近い通りに 向かい合うようにして存在したはずの2軒の店が 両方とも姿を消していた。 まず片側にあった 古本とレコードを扱っていたはずの店は オーナーが変わって アメリカのコミックブ…
今の中学生が聴いている音楽ってなんだろう? たまに思う。 その理由は少し置いておいて、タイミングよくYahoo!知恵袋のアンケート調査の結果がアメーバニュースで記事になっていた。 こんな結果だった。 ・いきものがかり ・嵐 ・EXILE ・GReeeeN ・Hilcrh…
昨日の続きを少し。 レコードのジャケットにアーチストが顔を出すようになるのは、レコードの歴史が始まってから大分たってからのことだ。 1920年代から30年余のSP時代の間は、シンプルな外袋に入れられて販売された。 ブック・スタイルのアルバム装丁になっ…