The Four Seasons / Dawn (Go Away) And 11 Other Great Sings

Hi-Fi-Record2010-02-27

The Cool School 128 クール・スクール・イン・ジャパン その7


88年の春、
レコード屋のアルバイトにも慣れたぼくは
すっかり仲良くなったCさんと
毎晩のように飲みに行った。


と言っても
飲み歩きのようなことをするわけではない。
Cさんの家は千葉で
ぼくの家は池袋。
なのでお茶の水でお互いの終電まで飲むというのが
普段のペースだった。


Cさんは
結構有名なハードコア・バンドのドラマーあがりで
大きなからだで結構こわもてな感じもするのだが、
話してみると
実にやさしいというか、
黒澤明ウルトラセブンを愛する
笑い声の大きな人物だった。


Cさんの人柄に惹かれて
それまで遠巻きにぼくたちの様子を見ていた
先輩のアルバイトのひとたちも
この飲み会に徐々に加わり始めた。


ブルース好きのFさん、
モッズ趣味のGさんが
そのうちセミ・レギュラーになった。


最初のうちは
ぼくと同日入店の社員希望生Aさんもいたのだが、
Aさんはあえなく入社試験に失敗し、
このころにはもういなくなっていた。


Aさんは明るく振る舞っていたが、
社員になれないとわかった以上、
ほぼ即日で店を去っていった。
厳しい世界だなと思った。


ぼくとCさん、Fさん、Gさんの盛り上がりは
徐々にエスカレートした。


そのうち
いつだったか
この4人で
“おとなの勉強”をしようという話になった。


「江戸情緒研究会ってのをやりましょうよ!」


Cさんが名付け親になって発足したこの会、
休日を合わせて
やがてあるところに一同で繰り出すことになるのだが
それはまた次回。(この項つづく)


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先日、
アメリカでミュージカル「ジャージー・ボーイズ」を見た。


フォー・シーズンズのミュージカルで
何年か前のトニー賞を穫ったものだ。


フランキー・ヴァリに似た顔と
何よりもあの声で歌える役者を
よくぞ探してくるもんだなあと感心して見ていた。


なにしろ
ブロードウェイ以外にも
今このミュージカルは世界に展開しているのだ。


それぞれの場所に
それぞれのヴァリがいるというわけ。


しかし
帰国してこのアルバムのジャケを見て
さらに愕然とした。


なんと
他の3人もよく似ているのだ。


おかげで
誰がボブ・ゴーディオなのか
ぼくは一発でわかるようになった。


右から二番目だ。(松永良平


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