2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

O.S.T. / Willy Wonka And The Chocolate Factory

「チャーリーとチョコレート工場」ではないんだ。 ぼくが書きたいのは 「夢のチョコレート工場」。 1971年に初めて映画化されたヴァージョンの方。 おなじロアルド・ダールの原作を使っていても、 71年にジーン・ワイルダー主演で製作されたオリジナルと 05…

Eydie Gorme イーディ・ゴーメ / Blame It On The Bossa Nova

「東京人」という雑誌がある。 東京にまつわるあれこれを、古今とりまぜて様々に描き出す月刊誌で、このところ毎月楽しみに手に取っている。 最新号を手にして、毎月の特集ページを繰るよりも先に読むコラムがある。嶋譲さんが連載されておられる「ディープ…

Willow ウィロウ / Willow

手描きジャケということもポイントだけれど、 問題は分かれ道だ。 仲良く道を進む3人の その先にはY字の分岐点。 何やらこの先の彼らを暗示しているようじゃないの。 西海岸で つつましやかに自分たちの音楽を演奏する3人組。 青春の香り高きメロディとハー…

The Greenbriar Boys / Better Late Than Ever

一定の社会集団の中でリズム、メロディ、歌い方、楽器、音色の好みなどが受け継がれてきていることは、ぼくらも何となく知っている。かつて(たぶん19世紀末ぐらいまで)は、「一定の社会集団」とはすなわち「民族」という概念が成立していたので、そうした…

Mexicali Singers, The / メキシカリ・シンガーズ / Further Adventu

俳優の千葉真一さんが変名したという。 「JJ サニー千葉(J.J. SONY CHIBA)」 なんだか 「キング・サニー・アデ」 みたいだ。 音楽にもよくある変名ユニットまたはプロジェクト。 本日の一枚は、アニタ・カーが変名ユニットで試みたその名の通りマリアッチ…

Dusty Springfield / Dusty In Memphis

ダスティがメンフィスに行くきっかけとなったのは アレサ・フランクリンのアトランティック移籍ではなかったか。 アレサはコロムビア時代は ジャズやポピュラーソングを歌っていて、 それを実力発揮されていないと見た ジェリー・ウェクスラーが 彼女を南部…

Anita Kerr Singers / Bert Kaempfert Turns Us On

ハイファイ大江田&松永がセレクトしたCD再発シリーズ「魅惑の女性ヴォーカル・コレクション〜フィンガー・スナッピン・ミュージック篇」から、11月21日にユニバーサルミュージックより発売された5作品について、おととい22日の日記で松永クンがご案内した…

Travis, Shook And The Club Wow / The Essential

のちにインクレディブル・カジュアルズを結成する ボストン周辺のロッカー2人。 NRBQ周辺の重要人物として ファンには知られている存在だが、 そんなことはごく一部だけのこと。 問題は この素敵にひねくれたアルバムが 何の前情報もなく聴いたひとを 強烈に…

Jacy Parker ジェイシー・パーカー/ Spotlight On Jacy Parker

ユニバーサルミュージックより ハイファイ大江田&松永が セレクトしたCD再発シリーズ 「魅惑の女性ヴォーカル・コレクション 〜フィンガー・スナッピン・ミュージック篇」 後半の5タイトルが昨日発売になりました。 ジェイシー・パーカー「スポットライト・…

Sammy Davis Jr. サミー・デイヴィス・ジュニア / Now

サミー・デイヴィス・ジュニアの自伝 「ミスター・ワンダフル」(文藝春秋)を読んでいる。 最初の自伝「Yes I Can」(本邦未訳)、 映画好きで知られる彼の思い出話をまとめた 「ハリウッドをカバンにつめて」(早川書房)に続く 三冊目にして生涯最後の著…

The Budwood Prima Trio / The Budwood Prima Trio

親の七光りがあるとしたら、 親戚は二、三光りぐらいかしら。 ジャイヴ王ルイ・プリマの甥っ子 バドウッド・プリマはピアニストで ドット・レコードに唯一のアルバムを残した。 オリジナル曲を 好んで作っていたところを ルイ・プリマに見つかって 「Oh, Man…

Kenny Nolan ケニー・ノーラン / Night Miracles

ロックのフィールドにおいて、黒人感覚を内に持った作品を発表した作家としては、相当に早い時期に成功を得た人ではないかと思う。 EW&Fの「Boogie Wonderland」を書いて、当てている。バリバリに黒人スタッフで固めているかに見えたEW&Fの大ヒット作品が、…

Ian And Sylvia イアン&シルヴィア / Play One More

アメリカでレコードの買付をする時には、もちろん販売用のレコードを買うことが目的だが、同時に山ほどのレコードを試聴することでアメリカのポップスの歴史を実地に学ぶ時間でもある。レコード店では、聴いてみたいと思うレコードのすべてを、ほぼ聴くこと…

Jack Brokensha, Lenore Paxton ジャック・ブロケンシャ、レノア・パ

これはレア! と、いきなりですが言わせて下さい。 だって、滅多に売ってないんだもの。 ヘンテコなアレンジが素敵なコンダクター・ジャック・ブロケンシャを知ってるだけでもう貴方は間違いなくマニアック。本作ではクリスマス・ソングを素敵にジャズってま…

Pete Fountain ピート・ファウンテン / I’ve Got You Under My Skin

最近、渋谷の駅前の大きいモニターでは「アンダー・ワールド」の来日ライヴのコマーシャル映像がよく流れる。 それにしても「アンダー」っていうと、普通多くは「影」「陰湿・陰気」「インティメイト」「ダークサイド」というイメージだと思う。 ヴェルヴェ…

Jim And Jesse / Twenty Great Songs By Jim And

先日、トムズ・キャピンの浅田さんが、「聴かずに死ねるかシリーズ」と題して続けているコンサートの次回案内を持参された。 カントリー・ジェントルメンのバンジョー奏者、エディ・アドコック。その奥様のマーサ・アドコックに、こちらも元カントリー・ジェ…

Percy Faith パーシー・フェイス / Disco Party

パーシー・フェイス・オーケストラが「夏の日の恋」を演奏する60年代初頭の映像を見た時のこと。永く密かに愛してきたメロディの生演奏を見ることが出来るという楽しみと同時に、あの独特のサウンドの謎の一端でも解けるかもしれないという期待を持ちながら…

Hugh Masekela / The Emancipation Of Hugh Masekela

自分の人生の中で ヒゲを伸ばしにかかった時期がある。 残念ながら 我が家計にヒゲの遺伝子は薄いようで 山男風のもみあげ濃いめでお願いしますと気張っても せいぜい鈴木清順が関の山。 最近それを身にしみてわかってきたので 普段は剃る方向で暮らしている…

Jo Stafford ジョー・スタッフォード / The Joyful Season

ジョー・スタッフォードのアルバムは オリジナルのジャケットで再発される可能性が低く、 蒐集価値があるぞという話を聞いたのは 十数年前だったかな。 蒐集価値云々よりも気になったのは そこにあったエピソードの方が気になった。 いわく、 彼女の過去のア…

Mary Kaye Trio, The / Music On A Silver Platter

昨日は雨の中、「Audience!」にお越しいただきました皆様、有り難うございました。 三等兵・藤瀬、心より御礼申し上げます。 いやはや、後半はベロンベロンになってしまい、いつものことなのですが 無口になったり挙動不審(不自然なノリ)になったり。 ご迷…

Eggs Over Easy エッグス・オーヴァー・イージー / Good ’N’ Cheap

79年の夏。オランピアでライヴを楽しむというパリ滞在を体験した後には、ロンドンに向かった。ベルギーのブルュッセルから夜行の個室寝台列車に乗ってドーバー海峡を渡ると、早朝のロンドンに着いた。 ハイドパーク近くのホテルに荷物を置き、それから世界で…

Sweet Thursday スウィート・サースデイ / Sweet Thursday

今日は金曜日。 でも昨日思いついた話を書く。 昔、 というか今でもたまに 曜日の名前のついた曲を 並べてみては楽しむというクセがある。 サンデー・モーニング レイニー・デイズ・アンド・マンデイズ テューズデイ・ハートブレイク ビッグ・ウェンズデイ………

Adamo アダモ / Olympia 67

オランピア劇場には、一度だけ行ったことがある。 数日ほどのパリ滞在のうち、ぜひともオランピアに音楽を聴きに行きたいと思っていた。パリについてすぐにチケットを買ってみたら、それがミシェル・フュガンのコンサートだった。 サーカスが歌った「ミスタ…

Caravelli カラベリ / Greatest Hits ”Disque d’Or”

カラベリの来日コンサートのオープニングでは、いくたびか「弦のファンタジー(Fantasie Pour Cordes)」が用いられた。ファンにはお馴染みの一曲だ。 その際に用いられた編曲も、また現在入手できるCDに収録される音源の編曲も、同じくストリングスを全面に…

Anton Karas アントン・カラス / Karas Melodies

大学の同級生の女の子に帰国子女がいた。 幼い頃から父親の都合で海外を転々。 最終的に高校はアメリカに通っていたのだが、 もっと子供のころにはドイツにいたということだった。 何の流れでそういう話になったのかわからないが 彼女は映画の「第三の男」に…

New World Band ニュー・ワールド・バンド / New World Band

なにも「ハッスル」までやることはないだろう。 オクラホマの音楽好きな若者たちが 集まって結成したバンド、 そこそこ自信も出てきたのか、 お金を出し合ってレコードをつくることにした。 しばし、 妄想を彼らのいるスタジオの中に飛ばしてみよう……。 問題…

Sly And The Family Stone スライ&ザ・ファミリー・ストーン / Whol

まずは告知を。 "Audience!" 第3回のお知らせ 【日時】 11月10日(土)午後7時ころ〜閉店まで【DJs】 樺澤衝一 原田伸彦 内田靖人 宇京佑作 藤瀬俊 【場所】 代官山 EAU CAFE ※通常営業の中でのイベントです初参戦の宇京佑作氏のDJが楽しみであります。 ご来…

Jack The Lad ジャック・ザ・ラッド / It’s Jack The Lad

引き続き、今日もブラック・ホークにまつわる思いを記してみたい。 「渋谷百軒店ブラック・ホーク伝説」の98ページに、「1977年のマレイ・マクロクラン事件」と題するエッセイが掲載されている。執筆は、浜野サトルさんだ。 ここで浜野さんは、マレイ・マク…

John Herald ジョン・ヘラルド / John Herald

僭越ながら、 昨日、大江田さんが紹介していた「ブラックホーク99選」に ぼくも参加させてもらっている。 といっても、 ここに挙げたジョン・ヘラルドのアルバムじゃないんだけど。 ぼくは「ブラックホーク」については 隔世遺伝世代だと言える。 学生時代に…

Ry Cooder ライ・クーダー / Into The Purple Valley

1970年代の渋谷、百軒店にあったロック喫茶「ブラック・ホーク」は、ファンの憧れの場所だった。 輸入盤の新譜一枚を買うことすら大変だったし、評価の高まりつつあるレコード、例えばフィフス・アベニュー・バンドのカット盤が店頭に出るという噂が流れると…