Travis, Shook And The Club Wow / The Essential
のちにインクレディブル・カジュアルズを結成する
ボストン周辺のロッカー2人。
NRBQ周辺の重要人物として
ファンには知られている存在だが、
そんなことはごく一部だけのこと。
問題は
この素敵にひねくれたアルバムが
何の前情報もなく聴いたひとを
強烈に惹きつけてしまうことだ。
とびきりアンノウンな
極上グッドタイム・ミュージック。
また、
NRBQのトム・アルドリーノにとっては
このアルバムが
プロとしての初のスタジオ・レコーディング。
この年、
19歳の彼は
ニューヨーク州のソーガティーズにあった
NRBQハウスを訪れ、
そのままドラマーとして
メンバーと家族同様の合宿生活を送る。
その初っぱなに
おそらくテリー・アダムスに
わけもわからないまま連れてゆかれたセッションなのだろう。
チャンドラー・トラヴィスが「よお」といぶかしげに
スティーヴ・シュックはクールに「やあ」と横向きで
トムに挨拶した態度そのままが
ジャケに表れているように思える。(松永良平)