Stokes, The / Whipped Cream / Piecrust

Hi-Fi-Record2010-02-22

「ロッチ」といえば「ロッテ」の偽物。
アディダス」だったら「アジデス」。
「プーマ」だったら「ピューマ」。
「チャンピオン」(スウェットで有名な)だったら「チャンピオンマウス」(あのロゴにミッキーの耳ついている)。


このような贋物カルチャーにまみれた少年時代を過ごしたのですが、その類いの記事がサイゾーにありました
「偽物のシールに手を出した無垢な子供たちは、異端者としてコミュニティから追われる存在となり、あわれ村八分扱い。」これは僕のいた田舎でも同じだった。


「すっげー! これ当ったの!?」
「……うん。」
「ちょっと裏見せて……"ロッチ"じゃんよ、これ。はいはい。」


こんなやりとりは全国規模の現象だったと本当に思う。ちなみに最初に挙げた「チャンピオンマウス」のスウェットは地元のデパートで買いました。マッシュアップかっけぇ! みたいな。微妙に流行していたとおも……あれ? 違ってたら…あ! CATことキャタピラの衣類は流行っていました。僕はおませな洒落ボーイだったので知ってるんです! 


何を一番言いたかったかというと


「アジデス」はないな、と小学生ながら思ったことです。


あいや、偽物もクオリティとセンスさえ磨けば、とても魅力的な商品になるはずなんです。バンドでいうと、コピー・バンドで格好いいバンドもあるわけで。それに、コピー・バンドからはじまってメジャー・デビューなんてのも、よくある話。


はい、ここで言いたいことは


とにかく"ロッチ"のビックリマン・シールは、プリントが惨かった!! ということです。


小学生にも一目瞭然の質の差。プライドなき偽物でした。その点、チャンピオンマウスはどうでしょう。「チャンピオン」と「ミッキー」、人気ブランドのマッシュアップ。"ダブルネーム"とも呼べるのかも。時代を先取りです。デザインも"それっぽい"オリジナルのもの。買っちゃいますよね…え?


Stokes, The ストークス(アラン・トゥーサン)/ Whipped Cream / Piecrust


「Whipped Cream」がアラン・トゥーサンの曲だったなんて!
あのクリーム塗りたくったセクシー・ジャケの印象が強すぎて、ずっとティファナ・ブラスがオリジナルだと思っていました。「Whipped Cream」の場合は"偽物"というわけではありませんが、●●のカヴァーのほうがオリジナルより売れた、なんてのもよくある話。「アラン・トゥーサンが兵役中に集めたメンバーで結成した一時期的なインスト・コンボ」とあるように、匿名性の高いオリジナル。こちらのほうが男臭くて、エロさは倍増。"兵役中"ですし。


とにかく、気概があれば音楽・ファッション問わず、なんとかなる、ということ。「チャンピオンマウス」買ったの、僕だけじゃないですよね…。


…つい今しがたStokesが売れてしまいました。どうぞご寛容くださいまし。


(藤瀬俊)


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