Dionne Warwick / Anyone Who Had A Heart

Hi-Fi-Record2010-02-14

The Cool School 122 クール・スクール・イン・ジャパン その1


今回からしばらく
ぼくが東京に来て
初めてレコード屋で働くことになった時代の話を書く。


時は1988年。
大学1年生の後期試験が終ろうとするころ、
お茶の水にあったAという店の面接を受けた。


それまでにも
いくつかのバイトはやったが、
結論から言うと
好きじゃないことをやっても苦痛だし
長続きしない性格だという自覚が増しただけだった。


たまたまお茶の水まで足を伸ばしたときに
店の前に「バイト募集中」の貼り紙を見つけて、
ちょうど春休みに入るタイミングでもあったし、
これしかないと心に決めて面接に挑んだ。


憧れていた東京の
しかも中古レコードを大量に扱う店なのだから
さぞやマニアックな質問を受けるのではないかと
緊張の面持ちで臨んだのだが、
店長面接は呆気にとられるほど簡単なものだった。


むしろ店長さんが気にしていたのは
ちゃんとあいさつが出来るかとか
週に何日何時間ぐらい入れるかとか
そういうことの方だったように思う。


2、3日後、
電話で返事が来た。


採用だった。


そのときのドキドキとうれしさは
ちょっと忘れられないものだったが、
やがて訪れたバイト初日、
ぼくのしあわせは
あっさりと破りさられることになる。


そんなこととはつゆ知らず
池袋のアパートからお茶の水までの定期を購入し、
遅刻しないように朝9時台の丸ノ内線に乗った。


大学の授業では
そんな時間にパッチリ目が覚めたことなんかなかったのにね。(この項つづく)


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今日はヴァレンタイン・デーだから
何となくそれっぽいレコードを選びたい。


そしたらもう
これしか思い浮かばなかった。


「シャル・アイ・テル・ハー」が
今最高に気持ちいい。(松永良平


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