Buddy Greco バディ・グレコ / My Buddy
イギリスのポール・ニコラスの「Heaven On The 7th Floor」の間奏とエンディングには、「Heaven, I'm in Heaven」というフレーズが出てくる。これは「Cheek To Cheek」の一節だ。
ティモシー・シュミットがカバーしたタイムスの「So Much In Love」など、若い世代のミュージシャンがオールディーズ・クラシックをコピーしたものをきくたびに、なんて博学なのだろうと思っていた。
ところが買付でアメリカに通うことで、アメリカでは各都市にラジオ局がふんだんにあり、そのうちの一つに必ずと言っていいほどオールディーズ専門局があることを知った。なんだそうだったのかと疑問は氷解した。「So Much In Love」は、ラジオを聞いていると一日に一度はかかる曲だったのだ。
1935年にヒットしたという「Cheek To CheeK」くらい古い曲になると、オールディーズ・ステーションというよりAMのノスタルジア・ステーションでかかる。選曲の傾向からしてたぶん60歳とか70歳といった高齢者向きの放送なのだろうが、あまりにも音楽が自分にピッタリきてちよっと驚くこともある。
「Heaven On The 7th Floor」というヒット曲の片隅に、こうしたアイデアが散りばめてあること、それが分かることもちょっとうれしい。
1926年生まれのバディ・グレコにとっては、「Cheek To Cheek」はすぐ手の届くところにあったヒット曲なのだろう。物心ついた子供の頃に耳にした曲かもしれない。とっても自由に歌っている。(大江田信)