David Gates / Goodbye Girl

Hi-Fi-Record2006-07-08

  「男に裏切られた子持ちの元ダンサーと、俳優志願の男が反撥しながらも互いに惹かれ合いながら結ばれていく姿を描くロマンチック・コメディ」と紹介される映画「グッバイガール」。そのエンディング・シーンに流れるのが、デビット・ゲイツが歌う同名のタイトル・ソングだ。


 ストーリーの詳細は覚えていない。いまネット上のデータベースを調べながら、あらためてストーリーの全容を読んだけれども、やっぱりおぼろげだった。ただしデビット・ゲイツのこの歌が流れ出すシーン、そしてもう一つ、映画の冒頭で主人公のマーシャ・メイスン扮するポーラが買い物から帰ってきたデパートの名前をなぜか覚えている。


 ブルーミングデールズでの買い物を両手一杯にぶら下げて、ポーラはタクシーでアパートに帰ってくる。ブルーミングデールズと言えば、マンハッタンの高級デパートとして知られている長い歴史を持つ老舗と、どこかの本で読んでいた。ロンドンならハロッズ、東京は日本橋高島屋、大阪なら梅田の阪急というところなのだろうか。どこかお人好しの彼女の性格、その時はまだリッチだった暮らしぶり、そしてなによりニューヨークの街暮らしの華やかさと楽しさが、さりげなく表現されていたシーンだった。六畳間のテレビ画面の前に座っていたボクは、へぇ、いいじゃんと思ったのだった。


 以来ずっとブルーミングデールズは、ボクの中で特別な名前になった。いつか行ってみたいなと思う。ロサンジェルスミネアポリスのモールにも、ブルーミングデールズがあるということだけれども、やっぱりニューヨークのブルーミングデールズに行ってみたい。


 という話を、男同士、なかなか面と向かって松永クンには言い出せない。(大江田)


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