Al Caiola / Soft Guitars

Hi-Fi-Record2006-07-21

 ほとんどソロに近いギターとか、ギターとボーカルだけのデュオとか、ベースのソロとか、そういうシンプルな音楽って、レコードで聴いた方がいいい。どうしてなのか良くわからないけれども。レコードをプレイヤーに載せてそっと針を置き、そしてアンプのヴォリュームを廻すという一連が、すでに音楽を聴くための耳の準備運動になっているのかも知れない。そうだ、そうに違いない。


 アル・カイオラがこんなにプライベート感覚溢れる作品を残していたなんて、このレコードを初めて見つけたとき、思わず目と耳を疑ったくらいだ。自分の心情を移し込む演奏と言うよりも、くっきりとしたメロディを弾くことを旨としていたギタリストなのだから。
 いつものアル・カイオラとちょっと違う。しかしこれが素晴らしいアルバムなのだ。肩の力が抜けていて、リラックスしていて。


 深夜、息を止めて、レコードにそっと針をおく。その行為がすでに音楽と響き合っている。
 そんなレコードだ。(大江田)


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