Burt Bacharachのサイン

Hi-Fi-Record2006-12-15

ハイファイ・レコード・ストアが運営しているこのブログは
毎日、お店に出ているレコードを一枚選んで
スタッフがあれこれとコラムを書くことになっている。


だが、今日のレコードは残念ながら売り物ではない。
ハイファイの宝物のひとつであるところの、
バート・バカラック直筆サイン入りのレコードだ。
ジャケ左側中ほど、肩口のあたりに見えるだろう。
ちゃんと「To Hi-Fi」という宛て書きもある。


といっても、誰かが本人に会ったことがあるわけではなくて、
たまたま知人を通じてサインをいただける幸運にあやかったというわけ。
ズルとも言うね。


それにしても随分と無愛想なサインだなとも思うが、
こういうサインを何千回、何万回も書いてきたのだろうと考えると
なかなかに愛着が湧いてくる。
サインを書いているときだけは無防備な
素のバカラックが見えてくるような気がするからだ。


このサイン、実は今年の夏頃から
それとなく店内に飾ってあるのだが、
まだ気が付いたひとはそれほど多くない。


お店に入ってカウンターをちょっと過ぎて、
新入荷のレコードを見る前に、
ちょっと左後ろを向いて視線を上げると、
そこでバカラックがほくそ笑んでいる。
レコードに魅入られたすべての野郎(淑女)たちを。
酉の市の熊手よりも、よっぽど効くかもしらん。(松永良平


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