Anita Kerr アニタ・カー / The Sound Of Warm
こつこつと買い貯めたアニタ・カー関連のアルバム、シングル、CD、コンピレーションなど、数えてみたら200枚を越えていた。もしからしたら一度このブログで書いたことがあるかもしない。ただその後も少しずつとはいえ、レコードは増えている。存在はわかっていて、まだ未入手のレコードもある。
データベースに手持ちのアルバム・タイトル、曲名、レーベル、発売年などを入れ、どの曲がどのアルバムに収録されているのか、とりあえずは簡単に一覧できるところまではたどり着いた。
とはいうものの、音楽がきちんと体に染みこむほどには、すべてを聞き込めてはいない。
200枚余というのは、結構な量になる。一枚、一枚を手にとって眺め、針を落として聞き始めたら、丸一日あったって時間が足らないだろう。
いつの日にかCDのリイシューを手がけ、単行本一冊を書き下ろすくらいの気持ちを込めて、膨大なライナーを書いてみたい。
自身が演奏するピアノ・インストルメンタルとして、2作目に相当する作品。オランダのマイナー・レーベルからのリリース。70年代前半はオランダ・フィリップスの所属、75年から数年間を古巣のアメリカRCAで過ごし、そしてリリースされたもの。
ピアノ・ソロにストリングス・オーケストラが添えられていた感のあった1作目に比べると、オーケストラとピアノがうまく解け合っている。本格的にオーケストラのスコアを手がけるようになってからほぼ10年余の時間の余裕が、そこに流れている。
シンセサイザーへの興味の萌芽など、後々の音楽制作の布石になる事柄が織り込まれていることにも、耳が惹かれる。
おだやかな響きが流れるレコードだ。アルバム・タイトルの「Warm」に込めた思いが、ライナーにそっと記されている。(大江田信)