V.A. Lou Reed, etc. / Lost In The Stars (The Music Of Kurt Weill

Hi-Fi-Record2007-07-30

大学時代、4歳年上の先輩が
このアルバムに入っていたルー・リードの歌う
「セプテンバー・ソング」がいいぞと教えてくれた。


事実、それはそれは出来の良いカヴァーで、
しばらくの間、この曲ばかり聴いていたもので、
後年になるまで
アルバムの陰の主人公であるクルト・ワイルの物語にまでは
思いが至らず。
あいすみません。


5月から12月まではこんなに長いと思うのに
9月になるとどんどん日々は早く過ぎ去ってゆく。
だから、この貴重な9月の日々を
きみと一緒に過ごしたいんだ。
そういう意味の英語詞がついている。
そして、曲の主人公の置かれたシチュエーションは、
恋人が来るのを待っているところ。


ルー・リードが、
雑踏の片隅で煙草を何本も
吸っては捨て、
吸っては捨てながら、
あの娘の来るのを待っている。


そのとき、
彼の脳内には
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代に歌った
「アイム・ウェイティング・フォー・マイ・マン」が
浮かんでいたかどうか。


思わず苦笑していたら、おもしろい。
だって、ヴェルヴェットのあの曲は
ニューヨークのゲイたちを歌っていて、
彼が待っているのは
男友達なんだから。(松永良平


Hi-Fi Record Store