Rachel Faro レイチェル・ファロー / 2

Hi-Fi-Record2007-09-04

数日前の朝、
出がけに駅の近所の中古レコード屋さんに入った。


その店は朝10時からやっているので、
ハイファイへの行きがけに
寄れるときは寄るようにしている。


その日、
いきなり「ウィチタイ・トゥ」が店内で流れた。


「ウィチタイ・トゥ」とは
サックス奏者のジム・ペッパーが書いた不思議な曲で
ハーパース・ビザールやエヴリシング・イズ・エヴリシングが
カヴァーしたヴァージョンが人気がある。


ネイティヴ・アメリカンの言葉から来ているのであろう
おまじないのような言葉「ウィチタイ・トゥ」を繰り返し
浮遊しながらゆっくりと曲は続いてゆく。


流れていたのはジム・ペッパーのオリジナルだった。
結構レアである。


女性の店員さんが
レジ周りを片付けながら、その曲を聴いていた。
何というか、
その眺めがとてもよかった。


この曲は、どのヴァージョンにもハズレが無い。
時間の流れが心地よく狂う。


だから言えなかったのだ。
「今かかっているレコードをください」と!


その代わり、
ハイファイに今ある唯一の「ウィチタイ・トゥ」を聴く。
カナダの女性シンガー、
レイチェル・ファローのセカンドである。


この曲が流れ出すと、
時間の流れが、やっぱり不意に遅くなる。(松永良平


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