Quincy Jones クインシー・ジョーンズ / Sounds...

Hi-Fi-Record2007-09-10

新宿に最初に出来たタワーレコード
今の場所ではなくて
新宿武蔵野館(映画館)の入ったビルの2Fだった。


ワンフロアをぶち抜いた広さは
80年代末の当時、日本最大と言われていた。
それを抜いたのが新宿丸井の地下に出来た
ヴァージン・メガストア


渋谷のタワーがビルになる、
もう少し前の話だ。


話は戻って、その最初の新宿タワレコで、
このアルバムから
「Tell Me A Bedtime Story」が大音量で流れた。


ハービー・ハンコックの原曲は
ちょっとリリカルなピアノの小品という感じだが、
クインシーはそれを大胆に拡大解釈。
ゆったりとしたファンク・リズムに
ストリングスがうねうねと舞う
一大オーケストラル・ナンバーに仕立て上げてしまった。


じわじわと這い上がり、
じらしてじらして
やがて
らせんのように舞い上がる。
この指揮棒は気持ちよかろう。


しかもハービー・ハンコック
ここでエレピを弾かせるという粋なキャスティング。


その7分弱の間、時間が止まった。
息も止まった。


そのときはCDでのプレイだったが、
このアルバムはアナログの方に軍配を挙げたい。


音の抜け、広がり、
そしてそれを支える真ん中の虚空に
アナログ盤にしかないしたたかな踏ん張りを感じるのだ。(松永良平


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