John And Pur Almeida ジョン＆プア・アルメイダ / My Son Pua
ジョン・アルメイダは、作曲家、ボーカリスト、演奏家、教師、バンドリーダーなど、数々の立場をこなしたハワイアンの音楽家。1925年に自身のスタジオをホノルルにオープンしたり、ラジオ局KGUでハワイアンを紹介する30分番組を1932年から７年にわたって続けたり、49th レーベルに音楽監督的な立場で関わったりと、様々な場所で彼の名前と出会う。そういえば、今でも良く歌われる「グリーン・ローズ・フラ」の作者でもある。
ハワイアンには珍しく黒一色のこのアルバムは、友人ミュージシャンの力を借りながら、ジョンが息子のプア・アルメイダと共演したもの。モダンでスマートなボーカリストとして、ラジオ番組「ハワイコールズ」に出演していたプアの軽やかな歌声を、時にはジャジィな、また時にはドリーミーな雰囲気たっぷりのサウンドと共に楽しむことが出来る。
それにしてもこの軽やかなリズム感は、いったいどこから来るものなのだろう。砂浜をスキップしている気分というか、波の上をすべるようななめらかさというか、日だまりで清涼な風を首筋に感じる爽やかさというか。鈍重さのかけらも感じさせないスマートさ。
ハワイアンという言葉と共に多くの人が思い起こすサウンドと決定的に違うクールネスが、ここに息づいていると思う。（大江田信）
