Michael Monroe マイケル・モンロー / Wintersongs
マイケル・モンローから新作CDが届いた。
変わらずミネソタの最北部、カナダの国境近くの森の中に、スタジオ兼自宅を設けて暮らしているという。
かつては「Summer Rain」とタイトルした作品、そして前作が「Simple Life」。そして今度の作品は、「Wintersongs」となった。タイトル設定にも、アーチストの個性が表れるものだ。
アメリカの詳細な地図を広げ、ミネアポリスの真北、カナダ国境当たりを見ながら彼の音楽を聴くと、腑に落ちるものがあるだろう。
今の季節は、ミネソタは深い雪で覆われている。
自作品にまざって、トラディショナルの「Hey Ho Noboday Home」が採り上げられている。おそらくマイケルが心の隅にそっと懐かしく育まんできたメロディなのだろう。
これはかつて彼がアイドルとしていたピーター、ポール&マリーが、「ジェーン、ジェーン」のタイトルで歌っていたものだ。
前作に引き続きと言うべきか、より一層というべきか、音楽からは静謐な情感が漂う。
森の暮らし。暮らしと音楽。音楽を生きること。
彼はそんな道筋を歩いている。(大江田 信)