Eddie Lang エディ・ラング / Jazz Guitar Virtuoso

Hi-Fi-Record2007-12-26

 戦前SP時代のジャズに於いては、ギターはアンサンブルの中心楽器ではなかった。
 ブラス・ジャズのアンサンブルにおけるコード弦楽器としては、バンジョーが主役だった。
 エレクトリックによる拡声装置を用いるギターが発明されるのは、まだまだ先の話。
 だからおのずとギターそのものを楽しむことの出来る演奏は、小編成のものになる。


 ジャズ・ギターの始祖と言われるエディ・ラング。
 ハイファイのサイトの紹介にあるように、「ソロ・ギター、相棒Lonnie Johnson、弟子のCarl Kressとのギター・デュオ、ピアノとのデュエットなど、徹底的に彼のギターを味わい尽くすための音源」が集められたコンピレーションがこれだ。
 マイクの真ん前で、エディ・ラングがギターを弾いているのがわかる。強いタッチの音色だ。


 このアルバムを聴いていると、じんわりと幸せな気持ちになる。
 ドラムが入っていないから、演奏家達が体を動かしつつ演奏しているリズムそのものが、音楽として伝わってくるからだろうか。音楽の生まれ出る場所が、手にすくい取れるような気持ちになるからか。実のところは、よくわからないのだけれども。
 音楽の幸せの、その由来を考えるレコード。(大江田 信)


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