The Sounds Orchestral サウンズ・オーケストラル / Go Home Girl
サウンズ・オーケストラルは、ジョニー・ピアソンのピアノをフィーチャーしたイージーリスニング。
それは間違いではないのだけれども、こう書きながらも違和感がある。ピアノ・トリオ・ジャズにストリングスをかぶせたものという表現が、正確なのではないかと思う。そんなサウンドをしている。
ウィズ・ストリングスものというジャンルが、ジャズにはある。それまでバリバリにバップなソロをとっていたアーチストが、あるときストリングス・オーケストラをバックにして、メロディアスでスムースなアルバムを作る。
コンボで演奏している時とはまた違ったフレーズが飛び出す。安らぎに満ちた音色が響く。
例えばクリフォード・ブラウンのウィズ・ストリングス・アルバム。
そんな制作サイドの発想が、一連のサウンズ・オーケストラル作品に見え隠れするような気がしてならない。
そう思わせるのが、何気なく聞こえる生ベースの音色。控えめなようでいて、存在感のある響き。ベースがジャズのグルーヴをサウンド全体に通低させている。
ただし全体としての仕上がりの方向は、ジャズではないけれども。
このあたりがサウンズ・オーケストラルの魅力ではないかと思う。つい、針をのせるレコードの一つ。(大江田信)