The Invitations / With Billy May And His Orchestra
「珊瑚礁の彼方」は、彼らの演奏が一番。ダイナミックなヴォイシングのコーラスとおおらかな開放感に満ちた雰囲気の中で、メロディが抜けるように伸び上がっていく。
彼らをリバティ・レコードに紹介したのは、マーティン・デニーだった。マーティン・デニーが根城にしていたクラブの近くに、インヴィテーションズが出演していたことがきっかけ。
自身が所属していたリバティに、若きインヴィテーションズを紹介したという。
50年代から60年代にかけて、デッカ、キャピトルなどには、ハワイを担当するプロデューサーがいて、本土とハワイを一定期間を置きながら行き来していたらしい。おそらくコロムビアなどでも同様だったのだろうと思う。
そうしたプロデューサーが、ハワイでは歓待を受ける、あるいは遊びがてら仕事をしていたなどの昔話が、ミュージシャンの言葉からこぼれることもある。
インヴィテーションズのこのアルバムはロサンジェルス録音。
後年になって、とても素晴らしい経験だったと、メンバーが回想している。
フォー・フレッシュメン・タイプのコーラスを、ジャジィなビックバンドサウンドを得ながら誇らしげに繰り広げる様が、とても楽しいアルバムだ。(大江田信)