Larry Weiss ラリー・ワイス / Black And Blue Suite
人間をふたつのタイプに分けるとするなら、
なんて分析まがいの物言いをよく聞く。
まあ、ぼくも
よくやるわけなんだが。
こういうのはどうだろう。
学生時代に
教科書に写真があると
つい落書きしたくなるタイプと
そうでないタイプ。
ぼくは前者であった。
それもかなり業の深い前者。
だから、
買付に行ったりして
ひどい書き込みがあっても
どうしても憎めなかったりする。
あるとき見つけたレコードはすごかった。
ロジャー・ティリソンの名盤
「ロジャー・ティリソン・ズ・アルバム」の顔に
耳無し芳一もかくやと思わんばかりの密度で
FM局の名前が書き込んであったのだ！
なんまんだぶ。
このラリー・ワイスのアルバムを見つけたときも
最初は舌打ちした。
おいおい、せっかくこんないいセンスのアルバムなのに
この書き込みはないよ。
主役の顔に目、耳、
額にキズ、顎にヒゲ。
ところがよく見ると、
その横に書いてあるのは本人のサインではないか。
これは一本取られた。
ラリー・ワイスというシンガー・ソングライターも
時代と国を遠く離れているとはいえ、
憎めないご同輩だったらしい。
注：写真でHPにあがっているのは
落書きのないヴァージョンです。あしからず。（松永良平）
