Greg Brown / Songs Of Innocence And Of Experience

Hi-Fi-Record2008-05-21

 もうだいぶ前のことになるのだが、グレッグ・ブラウンのコンサートに行ったことがある。
 ミネソタのとある街にある、青山円形劇場のように客席がコロシアム型になっているコンサート・ホールだった。


 このアルバムでもわかるように、想いを心に内に織り込み、畳み込むようにしながら歌う人には間違いないのだが、びっくりするくらいにエネルギッシュな歌いっぷりに驚いた。もう少し取り澄ましているというか、知的な装いを見せるのかと思ったら、たくましく寡黙な森の木こりのような人だったのだ。


 客席はグレッグと同年代の夫婦づれや、女性のグループなどで占められていた。たぶん40代から50代にかけての人たちだろう。2000人は収容しているはずのホールは満席だった。
 ほぼ彼のギターの弾き語り。ジーンズにTシャツとジャケットという姿で、額にたまった汗を拭いながらの熱演だった。


 もうひとつびっくりすることが、アンコールの時に起きた。
 満場の拍手の中、ステージに戻って来たグレッグが、スツールにすわる。スタンドに置かれたギターを手にするのかと思うと、彼はふとジャケットを脱いだ。太くたくましい二の腕が現れる。ジャケットの下は、タンクトップだった。たくましい筋肉をたたえた上半身が、現れた。そしてギターを抱えた。
 するとボクの横に座っていた妙齢の女性が、ふ〜っと生々しい息を吐いた。グレッグのセクシーな姿に感じ入ったかのようなため息だった。


 セクシーなフォーク・シンガー。
 それもグレッグ・ブラウンのリアルな姿なのだということを、あの女性のため息の音色は、ボクに記憶させたのだった。(大江田 信)


P.S.
 ハイファイでCDをお取り扱いしている井上としなりさんの東京近郊でのライヴ・スケジュールをご案内します。ご本人から、ご連絡を頂きました。
 いつもはお住まいの愛知県豊橋市界隈で音楽活動をされていますが、久しぶりに東京近郊でのライヴが予定されました。

5月29日(木)横浜港南区大久保/くんくんしーらや(沖縄料理)
http://kunkunsi.com/

5月30日(金) 東京大森/風に吹かれて
http://kazefuka.music.coocan.jp/xoops/

31日(土)横浜綱島/ブルコンカフェ
http://www.kanaloco.jp/livemarket/entry/id_986/

6月1日(日)東京高円寺/稲生座
http://www2.odn.ne.jp/raychel/inaoiza.html





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