V.A. P,P&M、John Denver, etc. / Something To Sing About

Hi-Fi-Record2008-05-22

 このアルバム・セットを見つけた時には、それこそ心底から驚いた。
 数十年のP,P&Mファンを自認しているはずだったのが、聞いたこともなかった音源が複数収録されていたからだ。まずは、そこに目と耳が行ってしまった。しばらくは、このアルバムのことを考える際に、それしか思いつかなかった。


 今になってみてば、これは音楽プロデューサー、ミルトン・オークンのフォーク仕事をまとめた音源集とわかる。「Something To Sing About」と名付けられた同名の楽譜集も出版されており、その本と連動した企画だったのかもしれない。
 それにしてもデモ・テープと思しき音源も収録されていることだし、アーチストの了解を取っているのだろうか、まさかミルトン・オークンともあろう人が、無断でリリースする訳はなかろうとになどと、いささかの疑念を拭いきれずにいた。
 数年に前にリリースされたP,P&Mの集大成的なCDセットにここからの音源も収録されたので、なんだかほっとした気持ちになったものだ。


 ミルトン・オークンは、ジョン・デンバーの制作で成功を収めるが、その同時期にローラ・ニーロのデビューにも多大な尽力をしている。デビュー後のローラ・ニーロとのあいだには確執があったとされるものの、その後に、といっても十年余を経てのこと、二人は和解しているものと思われる節がある。


 ハリー・ベラフォンテのベラフォンテ・シンガーズの一員としてか、または音楽監督の立場としてか、今から50年近くも前に来日したことがあるとか、近年には超有名なクラシックのオペラ歌手のプロデューサーをしていたらしいとか、うわさ話的なニュースを耳にしたこともある。ミルトン・オークンについては、きちんと調べてみるとおもしろいことがいっぱい出てくるに違いない。(大江田 信)



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