Rod McKuen ロッド・マッケン / The Beautiful Strangers
この謎めいていて、魅力的で不思議な声を持つアーチストのレコードを聴くに、最もふさわしいシチューションを考える。
例えば。
気の置けない友人とくつろいだ酒を飲んで、深夜に自宅に戻り、ベットにもぐり込む前に、一杯のお茶を飲みながら。
コンサートでもいいし、パーティでもいいし、イベントでもいい。外に気持ちを向けた後の一人の時間に、ほどよく冷静な空気を運ぶ音楽。
クール・ダウンする時間にふさわしい。気持ちが自然に内に向く際に、語り合う相手。
幸せすぎず、不幸せすぎることも無く。
穏やかで、そしてひっそりと落ちついている。
そんなささやかな日々の祭り時間の後に、お似合いだと思う。
思いのほかざらっとした声の質に、軽くココロが引っ掻かれる。その余韻が残る。(大江田 信)