Frank Chacksfield And His Orchestra / Dust In The Wind
そんな僕がAMラジオでふと聴いたことをきっかけに、カンサスの「すべては風の中に」(Dust In The Wind)を大好きになった。その種のバンドがアルバムに収録しているバラードに、たまらなく良い曲があるのかもしれないと、わけもわからず聴きあさった一時期があった。
そのおかげでELOが好きになったりしたのだが、「すべては風の中に」を超えるバラードに巡り会う事は無かった。
スリーフィンガーのアコースティック・ギターに弱いのか。乾いた感じのメロディに弱いのか。よく伸びるハイトーンのボーカルに弱いのか。そもそもバラードに弱いのか。今でも聴くたびに陶然とした気分になる。
「すべては風の中に」のインストルメンタル版があるなんて。この曲のインスト版は、初めて見た気がする。しかもフル・オーケストラ。
思わず手にとる。これがなかなか、というか相当に良い仕上がりで、泣かされた。
それにしても80年代も目前のレパートリーをうまくまとめてポップス・オーケストラ作品にしているフランク・チャックスフィールドの手腕に驚く。リズム隊も、メロディの歌わせ方も品がいい。(大江田信)