Sandy Nelson サンディ・ネルソン / Groovy

Hi-Fi-Record2008-12-13

 収録の「Sugar Sugar」。
 夫や彼氏のことをHoneyと呼んだりするのと同じで、この「Sugar」は、ボクのかわいい"彼女"のことですよね。決して砂糖のことではない。


 しかし、この歌を聞くたびに思い出す光景があって。大学時代のこと、同学年のとある女子学生と、キャンパス近くのカフェでコーヒーを飲んでいた。
 彼女がバックから取り出したのは、そのころ街でよく見かけるようになった合成甘味料だった。シュガー・カットだったかもしれない。



 わたしねぇ、太っちゃいけないのよ、やせなくちゃいけないの。
 もう、ありとあらゆる合成甘味料を試しちゃった。これがいまのところ、一番かな。



 既に、とある劇団に所属していたはずだ。キャンパスでもずば抜けた美人だった。
 後年になって映画やテレビに繰り返し出演し、独特の存在感を残した。
 確かに彼女、学生時代から少しふくよかだった。



 「Sugar Sugar」を聞くと、不思議な感情がよみがえる。あの午後に日差しにあふれたカフェの片隅で、他愛も無い会話を繰り返した日々。
 なんだか彼女に申し訳ないなあと思いつつも、ひどく懐かしい。(大江田 信)