Sandy Nelson サンディ・ネルソン / Groovy
収録の「Sugar Sugar」。
夫や彼氏のことをHoneyと呼んだりするのと同じで、この「Sugar」は、ボクのかわいい"彼女"のことですよね。決して砂糖のことではない。
しかし、この歌を聞くたびに思い出す光景があって。大学時代のこと、同学年のとある女子学生と、キャンパス近くのカフェでコーヒーを飲んでいた。
彼女がバックから取り出したのは、そのころ街でよく見かけるようになった合成甘味料だった。シュガー・カットだったかもしれない。
わたしねぇ、太っちゃいけないのよ、やせなくちゃいけないの。
もう、ありとあらゆる合成甘味料を試しちゃった。これがいまのところ、一番かな。
既に、とある劇団に所属していたはずだ。キャンパスでもずば抜けた美人だった。
後年になって映画やテレビに繰り返し出演し、独特の存在感を残した。
確かに彼女、学生時代から少しふくよかだった。
「Sugar Sugar」を聞くと、不思議な感情がよみがえる。あの午後に日差しにあふれたカフェの片隅で、他愛も無い会話を繰り返した日々。
なんだか彼女に申し訳ないなあと思いつつも、ひどく懐かしい。(大江田 信)