The Idaho Falls アイダホ・フォールズ / The Idaho Falls

Hi-Fi-Record2009-02-02

先週末に配信したハイファイのメールマガジン
ちょっと新しいことをやってみた。


それは
2000年代に出て来た
新しいアーティストたちの
見過ごされたアナログ・レコードの入荷を
まとめて案内するコーナーだ。


ハイファイが一般のレコード・ファンに紹介されるときは
「1950〜70年代のアメリカ輸入中古アナログ盤販売店
という説明が一番妥当だろう。


実際、
長い間、
それらのレコードはハイファイの看板商品であり、
洋楽中古レコードの花形であり続けた。


見知らぬ過去に
新しい未来を見いだすのは
とても刺激的だ。


しかし、
その一方で
働いているぼくたちには
今という時代を感じ、
反映していなくていいのかというジレンマが
なくはない。


2000年代のアナログがおもしろいと思える理由は
いくつかある。


理由のひとつは、
日本の洋楽マーケットの全体的な落ち込みにより、
メディアやショップで紹介されるアーティストが
ひところより減少傾向にあること。


アナログ盤ともなればなおさらで
首都圏の輸入盤店でも
DJユースやマニア、コレクター向けの再発以外の用途で
アナログが輸入される機会は極端に減ってきた。


その一方で
欧米ではアナログ盤の復権
この数年で起こっている。


若いアーティストたちの
フォークやルーツ・ミュージックへの接近、消化がいちじるしく、
その結果として
ダウンロードとアナログのみを販売し、
CDは制作しない、なんて極端な例まで出て来た。


そうした内外のギャップにより、
せっかく制作されたアナログ盤が
日本人の目と耳にほとんどまったく触れないというケースが
少なからずあるということを
真剣に考えてみたのだ。


そして、
そうしたインディーズ・アーティストの中には
古い音楽に刺激を探して聴いてきたひとたちを
ドキッとさせるタイプの
新しいサウンドを作っている連中が確実にいる。


今回、
できれば
日本のメディアでもあまり紹介されていない
ぼく自身もよく知らないようなアーティストがいいと思い、
探して並べてみた数枚のアナログは
紹介からほどなく
ほとんど売り切れた。


温故もいいけど、
今は知新もしてみたい。
そんな声なき声を信じてみよう。


新品の輸入ではないので
ルートも量も限られているけれど、
この路線、もうちょっと続けてみたいと思っている。


アリゾナ州の若者たち、
アイダホ・フォールズのLPは
今日現在、まだ販売中。


試聴音源を
B面2曲目のディランのカヴァーに変えてみるか。(松永良平


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