Lettermen レターメン / Spring!

Hi-Fi-Record2009-02-04

 コロムビア・レディメイドのホームページで、主宰する小西康陽さんがレターメンの「ソフトロック・コレクション」と題されたCDを紹介されつつ、次のように述べておられた。
 「この編集盤はややソフトロックの愛好家に阿った選曲が残念。『ジョージー・ガール』の美しさを念頭に置いた新しい視点の傑作選を」。


 なぜ「ソフトロックの愛好家に阿った選曲が残念」と書かれているのか、その訳についてはぜひともホームページに掲載された文章をお読み頂くこととして、「『ジョージー・ガール』の美しさを念頭に置いた新しい視点」という言葉に強く触発された僕は、さっそく同曲を収録したアルバムを引っ張りだして、針を乗せた。


 密かに「ジョージー・ガール」好きを自認している。いくつかのインストルメンタル、いつくかのコーラスなどを耳にしては、その決して多くないカバーのそれぞれを楽しんで来た。
 もちろんオリジナルのシーカーズの演奏もいい。いくたびが女性シンガーが入れ替わったシーカーズには代々の女性ヴォーカリストごとの「ジョージー・ガール」があって、初代のジュディス・ダーハムはもちろんのこと、それぞれに味のある歌唱が残されている。


 レターメンの「ジョージー・ガール」のアレンジは、ディック・ハザード。46人のストリング・セクションを擁するオーケストラを、彼が指揮している。大胆にテンポを落とし、8分の6拍子のジャズ・ワルツのリズムを刻ませながら、大きく緩やかな4拍を奏でて進行する。
 とっても上品で、とっても可愛い。同時に歌詞がすっと耳に入ってくる。「ジョージー・ガール」と呼ばれる主人公の寂しさと孤独に、ふと同情したい気持ちになった。(大江田 信)



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