Pino Daniele ピーノ・ダニエーレ / Sotto’o Sole

Hi-Fi-Record2011-02-15

 ピーノ・ダニエーレがどういう人なのか、知らなかった。
 レコードに針を落として、冒頭の「Cammina cammina.」のイントロに響くトランペットの響きを聞いているうちに、なんだかすっと音楽の中に入り込んだ。


 ハイファイの商品紹介コメントにも書いたのだが、音楽を聴いているうちに、彼の体の中にジャズ、サンバ、フォルクローレなど、ポピュラー音楽の豊かな水脈が交差しているのではないかと感じた。
 50年前のポピュラー音楽だったら、イタリア生まれに人の体の中に、こうした音楽が混在することは、考えにくい。今の時代、CDやレコードを通して音楽を聴き、一人の音楽家の体内にアメリカのジャズや南米のサンバ、フォルクローレなどの音楽が内包されることは、難しくないことだろう。


 ただしボクが惹かれたのは、彼の体にそうした音楽が無理なくしみ込んでいるように感じられたことだった。アタマではなくて、カラダにしみ込んでいる。
 うまく言えないのだが、土臭い土着の音楽に入り込む力のようなものが、彼自身に自然に備わっているように感じたのだ。こういうのって、ダメな人は全くダメだろうと思うからでもある。


 少しずつ調べてみると、イタリアでは相当に著名な人らしい。どうもボク好みらしいぞと、いくつかの情報が示唆している。さあ、最初のボクの直感が当たっているのかどうか、これから他の音源を入手して、聞いてみようかと思っているところだ。(大江田信)


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