Lani Hall ラニ・ホール / Sun Down Lady
この次に必ず買おうと思っていたはずなのに、つい後回しにされてしまう。そして、いざその次の機会になると忘れてしまっているレコード。
そんな、見過ごされがちなレコードの代表格のようなアルバムだった。
けれんみが無い、と言うか。
久しぶりに針を落として聴いて、なんだかこれまで大切にしなくてゴメンナサイ、という気分になった。
冒頭に収められたレスリー・ダンカンの「ラヴ・ソング」のカバーが、まず素晴らしい。ウネウネと動くベース、ドラムが刻む含みのあるリズム、そして艶っぽいラニ・ホールのヴォーカル。
B面に収められたドン・マクリーンの「ヴィンセント」のカバーも素晴らしい。静謐とは、こういう歌唱に与えられる言葉かもしれない。
名盤の呼び名が与えられたことがあるなどと、聞いたことがない。
これまで見過ごしてゴメンナサイと言う思いで、今一度、冒頭から聴いた。(大江田信)
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