The Dave Clark Five // Do You Love Me / Chaquita
アメリカでハイファイがレコードを買い求めるディーラーたち。親しく付き合っているのは、おおむね中年だ。もちろん若いディーラーもいるのだが、一緒に食事をしたりするとなると、つい中年同士になる。
このところ顔を合わせると、お互いの持病の話をする。
いまのところ高血圧の薬を飲んでいる他には、心配が無いんだというエリック。ボクも高血圧の薬は飲んでいるよ、そして食べ過ぎないようにと言われているんだと答える。そうだよ、ボクもだとエリックが言う。
そんなことを話しながら、エリックは目前の中華料理の皿に残るチキンの炒め物を平らげる。彼は巨漢だ。
倉庫でレコードを見せてもらっていたら、ちょっとjobがあるんだと言いだしたのは、ボブだ。jobを仕事と思ったボクは、ボブがディラー以外に何かの仕事をしているのかと思って怪訝な顔をした。それに気付いたのか、いや、一時間半ほどウォーキングをしなくちゃいけないんだよ、近くの池の廻りを8周するんだ、という。だから君たちだけでレコードを見ていてくれといいながら、車で去っていった。
彼は一時間半ほどして、汗びっしょりで倉庫に戻ってきた。そして僕らの様子を見ると、まだ見終わるまでに時間がかかると思ったのか、ちょっと家に帰ってシャワーを浴びて来ると言い残し、また車で去っていった。
ちょっと思い出すだけでも、こんなエピソードが思い浮かぶ。
アメリカの空港に降りった買い付け組。荷物を手に通路を歩きながら、こっちに来たらボクはファットじゃないよと松永クンに言うと、いや、そうでもないですよ、と言われた。少なくとも、スキニーじゃないですよ、と言う。
ダイエット中のディーラー達と、バイヤーのボク。
同病の相哀れみというか、こんなところにも、ぼくは密かな親しみを感じる。
エリックの店では、彼が独自に編集したCDRがBGMだ。
デイヴ・クラーク・ファイヴの「Do You Love Me」。たとえばこんな曲も、流れて来る。(大江田信)
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このほどの東北地方太平洋沖地震に被災された方、またご家族、ご友人をお持ちのお客様には、心よりお見舞いを申しあげます。
本日、3月12日、ハイファイは店舗営業を休業とさせて頂きます。
(ハイファイ・レコード・ストア スタッフ一同)