William Eaton ウィリアム・イートン / Struggle Buggy

Hi-Fi-Record2011-06-16

このアルバムのタイトル
「ストラグリング・バギー」って
どういう意味なのか。


すごく素敵で爽やかなアルバムなのに
タイトルはなんだか物騒な感じだと
ずっと思っていた。


ところがこないだ
このレコードを出すとき
しげしげとジャケットを見ていたら
答えはすべてそこに描いてあったのだ。


「ストラグリング・バギー」
直訳すると“闘うバギー”とは、
故障したり
ぬかるみにはまったりして動けなくなったバギーを
何とか動かそうとしている状態を指す言葉らしい。


そうだったのかと
しばししみじみとジャケを眺めてしまった。


おかげさまで
まだぼくは
買付でそういう目には遭っていない。


しかし
高速道路の脇で
故障した車のそばで頭を抱えて
途方に暮れているひとたちは
今までに何度も見てきた。


たぶん
「ストラグリング・バギー」って
ぼくたちが思うよりずっと
アメリカ人にとってはありふれたことなんだろう。


で、
もしこれがラブソングだとしたら
彼は壊れたバギーみたいな関係を
どうやってもう一度動かすつもりなんだろうか。


ほら、
悠長に肩肘なんかついてる場合じゃないってば。(松永良平