Peter Gallway / Peter Gallway

Hi-Fi-Record2011-08-12

 "ロック名盤復活シリーズ"という言葉を覚えている方はおられるだろうか。


 輸入盤レコード店が都内に出来はじめたころ、もう既に入手難だったレコード、あるいはもうひとつのロックなどと称されていたシンガー・ソングライター・マインドのロックなどのうち、ワーナー系レーベルからリリースされた作品が、まとめられて日本盤としてワーナー・パイオニアからリリースされた。
 その時に用いられたシリーズ名が、「ロック名盤復活シリーズ」だ。
 青山のパイド・パイパー・ハウズ、あるいは渋谷・吉祥寺の芽瑠璃堂、原宿のメロディ・ハウスなど、その種のファンの集まる界隈で評判を呼んだ。


 このシリーズでリリースされたレコードのそれぞれに親しみと思い入れが在るとことはもちろんなのだが、僕に取って思い出に深いのは、キレイなジャケットがなかなか見つからないと言う理由で、フィフス・アベニュー・バンドのレコードを、復刻版の写真用に貸し出したという経緯もある。


 久しぶりに手元のレコードを眺めながら品出しの作業をしていて、ふとした感慨にとらわれた。ピーター・ゴールウェイの同名のアルバム、このジャケットのライト・ブラウンの色味をオリジナルに近づけようと丁寧に試みられていることに始まり、数少ない情報を想像力で補ったライナー・ノーツの熱意ある文章に至るまで、音楽への愛情が初々しく表現されていることに思わず打たれてしまう。
 20年余ののち、ぼくはピーター・ゴールウェイにインタビューする機会を得た。
 そこで彼が語っていた内容と、このライナーノーツに記される内容とは、見事に整合していることを、今になって改めて確認している。(大江田信)
 

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