Henry Mancini / Mancini ’67

Hi-Fi-Record2006-06-15

 作編曲家としてテレビドラマのサウンドトラックの仕事も多い日向敏文さんにお会いしてお話を伺った時のこと。
 ストリングス・オーケストラのスコアを書いて、指揮をするときの喜びは、何者にも代え難い。テレビドラマのサントラ制作の時も、なんとかストリングス・オーケストラの響きを盛り込みたいと願い、予算のやりくりを考えることもあると述べておられた。
 そしてマンシーニって、良いですよねえと添えられた。

 ご自身の作品のプロモーションを目的とするインタビューに付随して伺ったお話で、このあたりのこともかつて雑誌記事に書かせてもらったのだが、夢見るような表情をされながら話された語り口が、今も忘れられない。


 ヘンリー・マンシーニ
 テレビ仕事が多かったこともあり、NBCニュースのオープニングやドラマ「アイアンサイド」のテーマなど、2分にも満たない長さのオーケストレーション仕事が山ほどある。その腕の冴えたるや、いつ聞いても唸らされる。発注者の要請(時代の鼓動を盛り込んで、バリッと頼みますよ、派手なのがいいなあ、とか言われていたんだろうか)に応えつつも、いつもマンシーニの音色とワザが刻印されている。


 アルバム「Mancini '67」に収められた「The Cat」。これはスゴイ。正面切ってのジャズ仕事。グルーヴィ。
 マンシーニのヒップなセンスに出会える一枚だ。(大江田)

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