Jay Round / Don’t Get Around Much Anymore

Hi-Fi-Record2006-06-17

 先日、京都の二条市場を何となく歩いていて見つけて、思わず買ってしまったのが「ぶぶあられ」。それって、お茶漬け用のあられです。永谷園のお茶漬けの素に入っているのは、長方形のあられですが、この京都鳴海屋さんの「ぶぶあられ」は、ゴマ粒よりは大きくご飯粒よりは少し小さい球状のもので、実によく考えられている大きさ。口当たりが良くて、とても気に入りました。


http://www.narumiya.co.jp/bubupr.htm



 お茶漬け用のあられは、東京では売っているところがなかなかありません。この数年前までは赤坂にあったお煎餅屋さんの中央軒で製造販売されていたので、それをよく買い求めていたところ、いつの間にか店頭から消えてしまい、その後にお店も閉店してしまいました。それからというもの、お煎餅屋さんをみつけると、何となく探してみているのですが見つけられず、このごろは、なかばあきらめていました。さすが食の都 京都というか、お茶漬けの伝統が生きている街というか、二条市場では店頭にさりげなく売られていました。一袋ほんの300円という価格で気楽に買うことが出来るものでした。
 


 あられをお茶漬けに用い始めたのは、お茶漬けの素を袋詰する際に湿気予防のために封入したことに始まる、とどこかで読んだことがあります。そのころはまだ袋の湿気防止の技術があまりなかったからだとか。とすると、お茶漬けにあられを入れるのは、袋詰めのお茶漬けの素が販売されるようになってからのこと? あられはそもそも数百年の歴史を持つものだし、どこかで誰かが試していてもおかしくないだろうなあと思いますけど。



 お茶漬けには「あられ」。これはボクには定番です。具はなんでもよろしい。例えば塩鮭の一切、それにのり、みつば、塩昆布もいいなあ。ご飯茶碗に残した二口ぐらいのご飯に具をのせて、あられを振って、お塩をひとつまみ。そしてお茶をかけて、さらっと行きます。夏の暑い季節には、冷たいお茶をかけても良いかもしれない。
 それにしても「あられ」です。これが大切。口に含む全体の量の数十分の一に違いないだろうに、与える印象はとても大きい。不思議な存在ですね。
 


 で、ここからレコードの話に持って行くのは難しいですねえ。
 と言いつつ、Jay RoundのDon't Get Around Much Anymoreを。白人系の伝統音楽に用いられるハンマー・ダルシマーでジャズっちゃった一枚。キラキラっコロコロっところがる音色が、まるで口の中を転がるあられのよう。何て、我田引水に過ぎますか?

 どうぞ試聴してみて、ご判断下さい。(大江田)



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