Tony Perkins / On A Rainy Afternoon

Hi-Fi-Record2006-06-21

 「雨の日は家にいて」というのは、山下久美子のキュートなポップ・ロック・ソングのタイトル。
 Tony Perkinsのアルバムに添えられたハイファイのコメントは「雨の降る午後のためのジャズ・ヴォーカル」。


 今日の渋谷は雨模様です。


 こんな日に、ジャケのトニー君のようなコートを着て街を歩いてみたいと思っちゃう。
 襟元の立て方といい、コートの長けといいお洒落です。靴はスニーカーかな。パンツはチノみたいですね。裾はちゃんとダブルになっているし。深紅のボタンダウンが首元から見えます。
 アイヴィー・ファッションを軽く着崩している感じでしょうか。いいですね。50年代末のアメリ東海岸のお坊ちゃんな感じ。傘を差していないところも、よろしい。


 ところでこのレコード、ちょっと、というか相当に大胆なバッキング演奏です。歌の後ろなのに、サックスやピアノやベースの演奏家達が、それぞれ相当に好き勝手にフレーズを演奏しています。歌の合間のちょろっと弾くだけではなくて、歌バックでもボーカルに間断なく絡んでくるし、これは狙いだったなと思わされます。なにしろトロンボーンのフレーズが面白い。

 ボーカルそのものと同じとまでは言わないまでも、8割くらいの音量で演奏が聞こえてくるので、つまりボーカルも演奏も合わせて同時進行しながら音楽が生まれていくように演出されています。そんなアンサンブルです。



 で、ボーカルはというと、軽〜く気もなく歌っているようで、音程はバッチリだし、ときにはちょっとおやっていう技巧を盛り込んだりして。


 ということで中身は、イケテル仕上がりのジャジィなボーカルなのです。
 グルーミィでフォギーな雰囲気。最高です。


 こういう日には紅茶かな。ウィスキー・ティーなんて、いいかもしれませんね。(大江田)
 

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