Cyrus Faryar / Cyrus
サイラス・ファーラーは、MFQのライヴではテナー・ウクレレを弾く。これがいい音がする。
ハワイに縁があるのもそのはずで、大使の息子として少年時代を中東で過ごし、大学のためにハワイに渡った彼は、卒業後もそのままホノルルにとどまり、カフェを開いた。60年代の初頭のこと。彼の店がミュージシャン達のたまり場になって、その後のModern Folk Quartetの誕生の端緒となった。
60sから70sにかけてのメインランドでのDave Guard And Whisky Hill Singers 〜 Modern Folk Quartet 〜 MFQと続く活動の後に、サイラスはハワイに戻る。
イラストレーター、平野恵理子さんが1992年に書かれた「ハワイ島アロハ通信」に、ヒロに暮らすミュージシャンとして、彼の名前が登場している。
サイラスの作品が、どこかしら海の広がりや、海に抱かれる安らぎのようなものを連想させることがあるのも、音楽作りとハワイ暮らしとが深いところで繋がっているからかも知れない。
そういえばフォーキーなコンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックの素晴らしいバンド、カントリー・コンフォートのファースト・アルバムは、サイラスのプロデュースだった。(大江田)