V.A. / ゴールデン・スタンダード集〜レッド・リバー・ロック

Hi-Fi-Record2006-06-23

「フライング・ブリトー」か、「フライング・バリット」か、
それが問題だ。


僕が洋楽を聴き始めた頃(1980年前後)、
グラム・パーソンズが始めたこのグループは
フライング・バリット・ブラザーズと日本では呼ばれていた。
何だかその響きがかっこよかった。
飛ぶんです、バリッと。


ところが、いつの間にか、バリッと空を飛んでいたはずの連中が、
空飛ぶブリトーになっていた。
ブリトーというメキシコの食べ物が日本でも認知されるようになったからだろう。
フライング・ブリトー・ブラザーズ。
それが正解だった。
彼らは始めからバリッと空を飛んでいたわけではなかったのだ。


マッシュ・ポテトなんて食べ物も、60年代の日本では珍しかったはずだ。
それでも、ディー・ディー・シャープの歌うヒット曲の意味を何とかつかんでカヴァーしなくちゃならない。
その苦肉の策として生まれた奇跡のひねり日本語ロックを、このCDで目方誠が正々堂々と歌っている。
ひねりすぎて、マッシュ・ポテトが何のことやら苦笑転じて大爆笑。


そんな歴史の流れの中に自分がいることは忘れたくない。
たとえ勘違いでも、あの頃、僕はバリッと空を飛んでいたのだ。


というわけで、今日のご紹介は
日本語ポップスの殿堂ショーケースCD『ゴールデン・スタンダード〜レッド・リバー・ロック』。
その問題の「マッシュ・ポテト」が入ってます。

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では、このあとは買付日記を。


○月○日 7日目 くもりのち晴れ


昨日やり残した店に朝から向かう。
ねばり強く収穫を探す。最終的に、思いがけない量になった。


午後は買付の荷物を運輸業者に持ち込む。
明日は飛行機で第二の都市に移動しなければならない。
そのあと、少し時間が空いたので、ショッピングモールに。
大江田さんはシャツや娘さんからの頼まれ物を、
ぼくは毎度のことでDVDの音楽ソフトや日本には入ってこないドキュメンタリーの珍品を探す。
買付中盤戦、ほんのしばしの休み時間。


夜はアンチョビを使ったスパ。
以前、缶詰のアンチョビを丸ごとぶっこんだらしょっぱくなりすぎたことがある。
その反省を活かして穏便な味にまとめる。
飛行機の時間が早いから、今日は早寝だ。


つづく。(松永)


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