Frankie Valli / Timeless

Hi-Fi-Record2006-07-01

 先日、ぼぉっとテレビを見ていたら、ついこの前の6月12日に行われた米演劇界の最高栄誉とされる第60回トニー賞の表彰式の番組が始まりました。NHKのBSなので日本語字幕付きの画面。いいですね、よくわかる。ジュリー・アンドリュースの発音を聞きながら、こりゃイギリス英語だわいと思ったり、自分が初めて受賞したときの舞い上がってしまっている映像を見ながら、レスリー・アガムスがまったく何が何だかわかんなくなっちゃってと回想する場面で、一緒になって笑っちゃったり。ハリー・コニック・ジュニアの奮闘ぶりもとてもよかったなあ。


 演劇界における最高の舞台が、NYのブロードウェイ。ここを目指す者達には、どれほどの苦労と困難と訓練が待ち受けているのか、その一端が紹介されていきます。そしてそれぞれの分野で頂点に立つ栄誉を得た者が、祝福の拍手に包まれながら感謝の言葉を語ります。父に呼びかけるジョン・ロイド・ヤングのコメントが秀逸だったけれども、なにしろそれぞれに味があって、とてもよかった。苦労してきた人たちは、なるほど皆いいことを言います。


 2006年の最優秀ミュージカル賞に選ばれた作品は、「ジャージー・ボーイズ」でした。これはあのシェリーの大ヒットを持つフィラデルフィアのイタリア人コミュニティ出身のグループ、フォーシーズンズの物語を舞台化したものと説明が加えられます。おっと思って画面を見つめると、華やかな「君の瞳に恋してる」のメロディに乗って、なにやらぞろっと舞台に上がっていく年配の男たちが映るではありませんか。ボブ・ゴーディオ!と紹介する声が聞こえます。そしてフランキー・ヴァリ!!と紹介する声も。おおおぅと思って、画面に近づこうとすると、そのまま放送はエンディングを迎えてしまいました。
 ということで、あっけなくお終いに。日本での放送用に大幅に編集カットされているのかもしれませんね。


 でもフランキー・ヴァリの姿は、バッチリ目に収めました。
 ショウビズっぽいオーラがにじみ出ていました。それがよくて。
 そして、とっても背が低かった。とっても。
 ああ、あの抜けるようなファルセットの声を聴きたくなったのでした。(大江田)


http://www.hi-fi.gr.jp