B.J. Thomas / I’m So Lonesome I Could Cry

Hi-Fi-Record2006-07-02

昨日ワールドカップイングランドvsポルトガル」を観ようとテレビをつけたら、数年前文化庁がウン億円で買い上げたという曾我簫白の「群仙図屏風」がっ!
 ホリエモン逮捕などの大きなスクープ、災害速報に各局が緊急報道しようがアニメを定時刻に流し続けるテレビ東京、番組は「美の巨人たち」でした。因果なもので曾我簫白、テレ東どちらも素敵に異端です。


本日の紹介レコードは、B.J.ThomasのScepterでのデビュー・アルバム。
そうこのアルバム・ジャケットは、僕が大変好きな Burt Goldblatt(バート・ゴールドブラット) が手掛けたものなのです。
グスンと泣くB.J.Thomas…裏ジャケのB.J.Thomasの顔写真もデビュー作だというに超虚ろ。裏ジャケに「Cover Photo&Design / Burt Goldblatt」とあります。
そう、写真を撮る際にまだカメラ馴れしてないB.J.Thomasがなかなかいい顔ができないところ、Burt Goldblattが「ざけんなっ! この青大将! ●▲◇×!」なんて言って、泣かしたところをパシャリとな…なんて。


Burt Goldblattは50年代中頃からベツレヘムなどのレーベルでジャケットを手掛け、奇抜で洗練されたアートワークで異端児ぶりを発揮していますが、彼の作品にはどこか日本画的な大きく深呼吸するのような空間と、それをねじ曲げるグンニャリしたインパクトが生んだギリギリ感が最高なんです。長谷川等伯の「松林図」や、「枯木猿こう図」、プログレもののジャケットのようなアヴァンギャルド過ぎる葛飾北斎の「諸国滝廻り・木曽路ノ奥阿弥陀ヶ滝」等々ピタッとはまります。ABC ParamauntのTrio Shmeedなんかのジャケットは思い切りグラフィティ・アートだし。いや、ホントに彼の仕事をまとめた本が出たらなぁ…。


「お前が作れ。」と、松永さん。


「え、いやぁ…資料収集として原盤買い集めるのは…作れても多分、知名度ないし売れないし…金銭的にも破滅…異端というか"イタイ”かも…グスン(B.J.Thomasの顔まね)。」


シーン…。


この間も痛いのだけれど。


イタイ・ジャケット特集でもしちゃいたい気分。


美の巨人たち」次週は伊藤若沖とのことで、日本画ルネサンスについてなんだか興味を持たれた方は、辻惟雄氏著「奇想の系譜」と赤瀬川原平氏&山下裕二氏(番組にも出ておられました)著「日本美術応援団」など良いかと思います。


 なお、それぞれの名画にご興味おありの方は、片っ端からgoogleってみちゃってください。お手数をお掛けしてすいません。(藤瀬)


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