Ohata San / Soul Time In Hawaii

Hi-Fi-Record2006-07-05

 1960年代の初期からアメリカ経由で世界に発信されたボサノーヴァ。
 その新しいトレンドをハワイで受け止め呼応したオータサン加山雄三やハワイ産ポップソングを交えつつも、アルバムの半分以上にボサノーヴァが映り混んでいるアルバムがこれだ。


 ウクレレを手に取ったことのある方ならばおわかりになると思うけれども、まるでオモチャみたいなあの小さな楽器から、まるで魔法のようにして音楽が生まれていく。それが不思議で、楽しくて、たまらない。


 オータサンの奏法は、メロディ楽器としてのウクレレの用途を明らかにしたもので、メロディを弾きながら絶妙にコードを織り込んでいく様には、ソロ楽器としてのウクレレの立場が表明されている。なにしろウクレレがリズム〜コード楽器の域を脱したのは、1960年代に入る頃からだし、オータサンはそのパイオニアの一人と呼んでもいい。それまでは、リードボーカリストの手にそっと収まり、コードが鳴らされる楽器だった。


 6、7年ほど前にオータサン山内雄喜さんの対談を取材したことがある。その数日後、お二人はセッションをされた。
 それからしばらくして山内さんにお会いしたときのこと。オータサンって、いろんな音楽をやっているでしょ。でもあのリズム感って、あれ、やっぱりハワイなんだよねえと仰っておられたのが印象的だった。(大江田)


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