Terry Cashman / Talkin’ Baseball
渋谷からハイファイに明治通りを歩いてくると、
最初の交差点に大きなビルがあり、中に映画館がはいっている。
そのひとつで「2番目のキス」という映画が始まった。
主演はドリュー・バリモア。
彼氏がボストン・レッドソックスのシーズン・チケットを子供の頃から買っているという熱狂的ファンで、
わたしと野球とどっちがいいの? というお定まりのストーリーに、
04年のレッドソックス、ワールドシリーズ優勝という実話が絡むというもの。
しかし、映画自体はお定まりになってない。
何故かというと監督が「メリーに首ったけ」のファレリー兄弟。
いつもよりヘンタイ的なセンスは控えめながら、飽きさせない映画をつくっている。
実はこの映画、買付の帰りの飛行機で去年見ていた。
最初はファレリー作品と知らず、何だか気になるぞと見ていたのだが、
途中のダンスシーンで流れる音楽はハリケーン・スミスの「オウ・ベイブ」だし、
ラストにはジョナサン・リッチマンの新曲も流れる!
マジですか! 思わず心がサヨナラホームランで総立ちになった。
原題は「Fever Pitch」。
日本でやるとしたら「恋のフィーバー・ピッチ」?
いやいや、「恋のペナントレース」? 「恋のホームスチール」?
というか、「恋」しかないのか、ぼくの語彙には。
しかし、ドリュー・バリモアと言えば「25年目のファースト・キス」「50回目のキス」ということで、
結局「2番目のキス」になったもよう。残念。
何かを狂うほど好きになった経験がある人は、その彼氏役であるジミー・ファロンの気持ちがよくわかると思います。
ちなみに原作はサッカー狂で知られるイギリス人作家ニック・ホーンビイ。
あら? 「ハイ・フィデリティ」のひとじゃない!
アメリカで映画化するんだから原作がサッカーをテーマにしてたのを、
無理矢理、野球に置き換えたんですって!
その強引さもファレリー兄弟だなー。
というわけで、テリー・キャッシュマン。
このひとはミュージシャンになる前、プロ野球志望だったらしい。
最初から最後まで野球のことしか歌っていない素敵すぎる偏愛アルバムを聴きながら、今日も8時半過ぎにブログを上げる。
8時半の男。古いか。
ちなみに、ご心配をおかけしたハイファイの冷房ですが、
何とか復旧しました。(松永)