Mary MacGregor / Torn Between Lovers

Hi-Fi-Record2006-07-13

 アメリカの友人からメールをもらったり、ミュージシャンからメールをもらったり。それだけもうれしいのに、糸がほどけるように色々な事柄がわかってくると、それはとてもとても楽しいことです。



 メアリー・マックレガー。全米1位の大ヒット「過ぎし日の想い出」(ピーター・ヤーロー作詞先曲)を持つ女性シンガー。元P,P&Mのピーター・ヤーローとマッスルショールズに出向いて、バリー・ベケットらと共に制作した本アルバムに同曲も収録。アルバム発表当時にピーター・ヤーローのツアー・バンドにコーラスの一員として在籍。


 そんな事実から、彼女はピーターによって見出されたアーチストかと思っていたら、彼女のデビューには、全く別のもうひとつのストリーがあることがわかりました。



 最後期のチャド・ミッチェル・トリオの一員、そしてその後、ブロードウェイ・ミュージカルの準主役で全米を公演。そうした活動に疲れたマイケル・ジョンソンミネアポリスに新たに居を定めて、今一度、音楽活動を再スタートした期間。1970年代から75年ごろにかけての時期に、音楽仲間の一人だったのがメアリーでした。そしてもうひとりの音楽仲間が、マーク・ヘンリー。マイケルとマークとメアリーの3人で、地元ミネアポリスのフォーク・クラブ、Extempore(Greg Brownの名作「One Night」が収録されたクラブ)に出演したこともあり、そうした3人がクリエイティブした音楽を残すものとして選曲された作品が、マーク・ヘンリーのアルバム2曲目に収められている「Full Moon Of April」なのでした。これはメアリー、マイケル、マークの3人によってコーラスされています。



 マーク・ヘンリーは、マイケル・ジョンソンのアルバム「There Is A Breeze」にタイトル曲を提供したことで注目を得ます。この曲を録音することになったGene Cottonの招きで、メアリーとマイケルとマークの3人は、ナッシュヴィルに出向きました。そのときにナッシュヴィルで録音したメアリー用のデモテープが、のちのち本アルバム・リリースの決め手になったという事です。


 なるほどなあ。なるほど。
 思わず遠くを見つめてしまいました。(大江田)



PS
 マーク・ヘンリーとマイケル・ジョンソンとメアリー・マックレガー。このあたりのストーリーは、大江田&松永監修によるビタースウィート・アメリカ・シリーズにおける関連作品のライナー・ノーツの中で、より詳しくご案内をする予定です。よろしくどうぞ。


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