Si Zenter / Swingin’ Eye

Hi-Fi-Record2006-07-12

 山梨県甲府市の駅前商店街を歩き、暖簾と店構えを眺めながら、一軒の蕎麦屋を決めて中にはいりました。この辺りは東京の盛りの軽い趣味蕎麦と違って食事としての蕎麦。どんとした盛りとのよさと、たっぷりと蕎麦つゆに浸して食べるのが妙味かなと思いながら、壁の品書きを見わたします。するとおもしろいことに気付きました。


 せいろ蕎麦の種類がまるでパズルのようにして表示されているのです。


 まず蕎麦そのものに二種。通常の盛りそばか、熱盛りか。
 通常の盛りそばは、冷たい水で冷やして締めてある蕎麦をせいろに盛ったもの。熱盛りは、その上からそば湯をかけてあたためたもの。


 付け汁にも複数の用意がありました
 冷たい付け汁と、温かい付け汁。


 それに生卵が入っているか、入っていないか。


 順列組み合わせって言うんですか、数学は滅法弱いのだけれども、そうして計算すれば2X2X2=8通りの選択が可能と言うこと?


 ふ〜ん、おもしろいなあと思いながら、店内のお客さんを眺めていると、みなそれぞれ馴れた口調でああだ、こうだと注文をしています。
 品書きにどういう表現で書かれていたのか、詳しくは忘れてしまったけれども、僕が頼んだのはコレ。


 熱盛りで、冷たい付け汁で、生卵入り。
 その理由は、東京では出会うことのない食べ方だったから。
 で、これが美味かったのです。熱盛りにすると蕎麦がふっくらとふくらんで、甘い風味が増すのですね。


 旅から戻ってきて、仕事場の近くのそば屋で「熱盛りにしてくれる?」と頼んでみたら、いいよと気軽にやってくれました。東京でも通じる食べ方なんだなと解りました。
 休みの日の昼食に蕎麦をゆでる機会があると、家でもたまにやっています。
 熱盛り。いいですよ。試してみてはいかが?


 で、ハイファイの店内を見渡して、蕎麦を食べながら眺めるジャケだったら、どれがいいかなあと考え選び出したのがコレ。
 クールなタイポグラフィと、大胆に配された目。そしてキュートな女性の足首を眺めながら、蕎麦をすすりますかね。よく冷えたビールがあるともっといいかな。(大江田)



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