Sammy Davis Jr. / Now

Hi-Fi-Record2006-07-16

チョコレートの売上げが落ち込むこの夏場に遅ればせながら「チャーリーとチョコレート工場」を観ました。
しかしながらロアルド・ダール作の同原作映画「夢のチョコレート工場」(71年作、監督・メル・ステュアート)の素晴らしさには、とてもじゃないけど及ばない。


大々的な広告で日本中を賑わせた「チャーリーとチョコレート工場」ですが、監督がティム・バートンという期待もあったせいか、なんだかなぁ、という感じでした。わざとらしい素敵なグロ表現くらいしか"らしい"ところも見せ場もないような。
ウィリー・ワンカ役のジョニー・デップも当時新世代のチャップリンと謳われたジーン・ワイルダーの名演と比べたら、というか歌わないし。ジョーおじいちゃんもタップ・ダンスだけで、名優ジャック・アルバートソンのキュートなおじいちゃんっぷりと比べるとなんとも寂しいもの。


夢のチョコレート工場」の今となっては配役的にタブー(人権人権という人がいる)のウンパルンパや工場のヘンテコな世界が素晴らしいのは勿論のこと、最初に歌われる「Candy Man」の胸躍るあのシーンからもう…。(本日の一枚、Sammy Davis Jr.のこのアルバムは実にキュンとくる「Candy Man」を収録。)


言葉にならない、胸がつまるように甘酸っぱいこの「…」な感動が。


「突然夢がかなった人はどうなったと思う?」「一生幸せに暮らしましたとさ。」
そしてエンドタイトル「Pure Imagination」(ジーン・ワイルダーが歌うバージョンも素晴らしくて…)
音楽を担当したのは、ウォルター・シャーフレスリー・ブリッカス、アンソニー・ニューリー。


おわっ、書いてるそばから「あれには続編があるんだよ。主人公のチャーリーが宇宙に行く話がね。」と松永さん。


そういえば今日渋谷の駅の近くのビッグカメラの前で、得体の知れないオジサンが


「あなたは今、最高ですかぁ!!」


と、繰り返し休み無く叫んでいた。


まいったなぁ、なんと答えよう。


「…」


いや、甘酸っぱさを越えて酸っぱい気分で胸がいっぱいに。あぁ、「夢のチョコレート工場」にせっかくもらったピュア・イマジネーションが…。(藤瀬)


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